うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

ベーシックインカムなんて当たり前

『今、「ベーシックインカム」とは何か? 欧米の実験が話題となる理由』(現代ビジネス 同志社大教授 山森亮)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64167

ベーシックインカムという妖怪が世界に出没している。

ベーシックインカムとは一言でいうと、「すべての人に無条件で一定の額のお金を給付する」制度のことだ。

そんな「うまい話」があるわけないと思う人もいるだろう。実際、ごくごく低額であればともかく、そのお金だけで生活できるほどの額を給付するベーシックインカムは世界のどこを探しても持続的な形では導入されていない。(略)

いったい何故、一見夢物語のようにも思えるアイデアについて、世界のあちこちでニュースとなるような出来事が起こっているのだろうか。

結論を先取りすると、おおよそ5つの理由が挙げられる。

(1)技術革新による雇用の減少への対応、(2)いわゆる福祉の罠、(3)人びとの創造性を解き放つ可能性、(4)アンペイドワークの認知と公平な分担、(5)有限な地球環境を維持できる仕組みへの希求。(略)」

 

ベーシックインカムという文字を見るだけで、「荒唐無稽」とか「うまい話」、「日本人から労働意欲を奪う詐欺話」といった類いの批判を浴びせる連中が多い。

 

どうも日本人は苦労性というか、幸福嫌悪症というか、カネを毟り取られるのには唯々諾々と従うくせに、懐にカネが入ってくる話になると、急に遠慮したり、拒絶したりし始めるから不思議で仕方ない。

 

山森氏は、ベーシックインカム(以下、BI)を「すべての人に無条件で一定の額のお金を給付する」=「あり得ないレベルのうまい話」というニュアンスで表現している。

実際、市井の人々に聞いても同じような反応が返ってくるだろう。

 

カネが入ってくる話になった途端、「これは悪い夢だろ? 俺にこんな幸運が舞い込んでくるはずがない(他の人にも舞い込んでいるのだが…)」、「あとで税金の倍返しを要求されるんじゃないか」と疑心暗鬼になるくせに、逆に、カネを取られる段になると、なぜか大人しくなる輩も多い。

 

世の中には、“すべての人から、ほぼ無条件で一定の額のお金を徴収する”“制度が当たり前のように運用されている。

消費税しかり、FIT賦課金しかり、住民税しかり、社会保険料しかり…

日本という国に普通に暮らす以上、ほぼ呼吸レベルでカネを持っていかれる税や社保の負担があるではないか。

 

働いている人なら解ると思うが、給与明細の総支給額から、税や社保負担名目で2割前後が持っていかれ、手元に残った僅かな手取り額から、消費税や賦課金が飛んでいく。

 

我々は日常的に、こんな“あり得ないレベルの過酷で辛い話”に晒され続けているのだから、真逆のうまい話があったって罰が当たることはない。

 

元来、日本人は困難や苦労を背負い込み、それを努力で克服する苦労話が大好きだが、平成不況も20年を超え、非正規雇用者が4割に迫るような歪な雇用・所得環境が蔓延する惨状を鑑みると、日本を覆いつくす問題点や課題の深刻さは、もはや“努力・根性・我慢”という精神論で克服できるほどヤワなものではない。

 

緊縮脳に凝り固まった連中が、これまで“甘え”の一言で切り捨ててきた実質所得増加策や需要刺激策なくして、我が国の貧困問題や内需弱体化はいかんともしがたいレベルにまで悪化している。

 

先ごろ話題になった老後資金2,000万円不足問題にしろ、時給1,000円で中小企業が悲鳴を上げるとの日本商工会議所会頭の発言にしろ、日本経済の基盤や土台が緊縮主義者というシロアリに喰われ、崩壊しつつある証しに過ぎない。

 

緊縮主義者のバカどもが、「BIだって? 甘えるな! お前は乞食か‼」と、いい気になって罵倒している間に、国民はどんどん貧困化し、需要力は衰え、巡り巡って供給サイドの体力を奪い取ってきたのに、根性論や精神論に縋る愚か者は、眼前で起きている惨状を直視しようともしない。

 

経済動向に鈍感な連中は、規制緩和だ、技術革新だ、ゾンビ企業をぶっ潰せだのと供給サイドの強化ばかり叫ぶが、需要という食糧や栄養なき経済に、供給の生きる術など残っていないことに、いい加減気づいたらどうだ。

 

AIだ、IOTだ、ロボット化だ、宇宙開発だのといくら力んでも、“そんなものに、いったい誰がカネを払えるの?”の一言で終了だ。

 

逆に、消費者が潤沢な資金を持ち、カネの使い道に困るような“需要超過型・需要過多”の経済になれば、あらゆるモノやサービスに対する引き合いが増え、個々の付加価値も上昇し、供給サイドの収益力も強化され、労働分配の原資に事欠くこともなくなるだろう。

 

「需要力強化→供給サイドの付加価値UP→労働分配率上昇→さらなる需要力強化→供給サイドの生産性UP…」という正の経済サイクルを回すためには、まず、疲弊しきった需要サイドへの手厚い保護が先決だ。

 

BIを蔑み、馬鹿にするアホな連中には、“20年不況による膨大な経済ロスを1~2年のうちに取り返せる妙案を具体的に提示してみろ”と問い質したい。

 

これまで何度も述べてきたが、筆者はBIに賛成の立場を堅持する。

以前から、既存の社会保障制度を改善したうえで、国民一人当たり月額3~4万のBI支給を提言してきたし、さらに、消費税の即時撤廃と国民の社保・医療費負担の半減も併せて主張する。

 

「なんだ、うずらの野郎は意外とみみっちいな。月3万円と言わず、思い切って10万円くらい払ったらどうだ」といった前向きかつ積極的な意見を期待したい。