うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

緊縮主義者の改心は大歓迎

アゴラ経済塾「長期停滞の時代」』(3/15)

http://agora-web.jp/archives/2037799-2.html

「日本では長期にわたって低成長・低インフレ・低金利が続いています。これはかつては日本の特殊な問題と思われていましたが、今はアメリカもEUも「日本化」し、実質金利がゼロになる世界史上かつてない状況が続いています。

当初これも日本の「デフレ」のように世界金融危機後の一時的な現象だと思われていましたが、最近は構造的な長期停滞だという説が多くなってきました。日本経済が直面する潜在成長率の低下が、先進国に共通の悩みになり始めているのです。(略)

低成長の背景にあるのは人口減少や高齢化などの供給制約だけではなく、企業の貯蓄過剰(投資不足)による需要不足も大きい。(略)

もう一つの要因は、グローバル化による環境変化です。18世紀にヨーロッパとの競争に敗れた中国が、ふたたび世界史の主役になる大収斂は、短期的に終わる現象ではありません。(略)

長期停滞が「ニュー・ノーマル」だとすると、必要なのは景気刺激策ではなく、こういう世界史的な変化を理解することです。(略)」

 

上記は、緊縮主義界隈で有名な池田信夫氏が所長を務めるアゴラが主催する経済塾の案内文だが、“世界的低成長時代に景気刺激策は無用”、“中国主導の世界的低賃金化を受け容れよ”と訴えるくだりには失笑を禁じ得ない。

 

彼みたいに世界的低賃金化を不可逆的宿命であるかのように騙る輩の知能は、「法律=絶対不変の法則」と勘違いする幼児レベルにも達していない。

 

資本や外国人・移民などの国境を超えた往来に厳しい規制をかけ、人海戦術による低賃金労働しかウリがない途上国と、それを悪用し人件費カットに励むグローバル企業との馴れ合いを断ち切ればよいだけだ。

 

自国民や自国内に資金を落としたがらぬ穀潰し企業を丁重に扱う必要など微塵もない。

国内人材をタダ喰いし、国民の負担で整備した社会インフラにタダ乗りするだけの“フリーライダー”を甘やかしてどうする。

 

また、池田氏は、「長期停滞が「ニュー・ノーマル」だとすると、必要なのは景気刺激策ではなく、こういう世界史的な変化を理解すること」だと頓珍漢なことを言っているが、いやしくも経済を語る論者として、最も忌むべき“停滞”を常識視するとは、彼の神経を疑わざるを得ない。

 

彼のような幼児には解るまいが、停滞が停滞のまま終わることなどない。

停滞の先に待っているのは平坦な大停滞地帯ではなく、衰退や死へ直結する急峻な崖なのだ。

 

「長期停滞がニュー・ノーマル」なんてとぼけたことを言えるのもあと数年の間だけで、ぐだぐた続く停滞が需要を凍結させ、やがて生産力や技術力という国富を蝕んでいき、満足に物資を生産し流通させる能力や基盤が失われ、国家は一気に衰退の危機に直面することになる。

 

緊縮万能型の反国民主義者の池田氏は、「景気刺激策<世界史的な構造変化への理解」が大切だと主張するが、世界規模の低賃金型奴隷労働の常態化に理解を示すことが、なぜ各国の労働者の生活満足度を上げるのにつながるのか、合理的に説明してもらいたい。

 

人々が懸命に働くのは、今日より幸せな明日を手に入れたいがためであり、社会がその欲求に応えるためには、個々人に分配する果実を増やさねばならず、経済成長が欠かせない。

 

反成長主義者の連中は、経済成長=国民の幸福とは限らないと斜に構えたがるが、個々人の所得が増えた結果を積み上げたものが真の経済成長なのであり、皆の所得が増えるなら嫌でも経済が成長してしまうことを理解すべきだ。

 

社会性を持つ人類、とりわけ高度な生産力を備えた先進諸国においては、経済成長はマストであり、停滞とか衰退などあってはならない。

 

長期停滞はニュー・ノーマルとか頭のおかしい大ウソをつくのは、「健康なんて贅沢。病気こそ常態」と言うに等しい大バカ者だ。

ロートルおやじの病気自慢は飲み会の席だけにしてもらいたい。

 

構造変化という名の奴隷労働の蔓延を歓迎し、特効薬たる景気対策(積極財政)を無用呼ばわりするのは、経済センスのないインチキ論者の証しだろう。

 

だが、そんな「緊縮大好き池田さん」の論調も最近やや軟化しつつある。

 

最近アゴラに掲載された『消費税の増税は必要か』(4/1)というコラムでは、

「(通貨発行権を有する)政府が名目債務をデフォルトすることはありえない」

「(国債発行により)将来世代からの所得移転は発生するが、借り換えが続けられれば、将来世代の負担増は金利だけだ。日本のように大きなマイナス金利になっている場合には、財政赤字で成長率が上がり、将来世代が利益を得る可能性もある」

「マイナス金利は、市場が政府を過剰に信頼するハイパーリカーディアンな状態を示唆している。政府がみずからその信頼を毀損しない限り、国債が暴落することは考えられない」

「長期停滞のトップランナーである日本がいま増税する必要はないと私は思うが、読者のみなさんの意見はどうだろうか。反論を歓迎する」

といった具合に、積極財政=財政破綻ハイパーインフレ論の矛先を収めつつある。

【参照先】http://agora-web.jp/archives/2038119-2.html

 

長年の持論である緊縮政策と構造改革が、日本経済に何の益ももたらさなかったばかりか、少子高齢化や経済衰退を惹き起こしてしまったのを恥じて反省したのか否か、定かではないが、緊縮主義者たちのこうした変化は歓迎したい。