うずらのブログ

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キャッシュレス化の経済効果はほぼゼロ

鳥越俊太郎氏「電子マネー」断固拒否 日本のキャッシュレス化やっぱり道遠い?』(10/8 JCASTニュース)

https://www.j-cast.com/2018/10/08340549.html

「「我々に電子マネーを強制するな!」――そんなタイトルの談話を世に問うたのが、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、御年78歳だ。「現金世代」の鳥越氏としては、「支払いはキャッシュじゃないと落ち着かない」。電子マネー社会の進展に、大いに疑問を呈した。

  ネット民からは冷笑を買ったこのご主張だが、とはいえ、鳥越氏のような人は、意外にも少なくない。政府も電子マネー社会、キャッシュレス化を強く推進しているが、なかなか思うように進んでいるとは言い難い。(略)

実際、経産省がまとめた「キャッシュレス・ビジョン」(2018年4月)によれば、日本のキャッシュレス決済比率は2015年時点で18.4%と、45.0%の米国、60.0%の中国などと比べ、主要国の中ではかなり低い。(略)

中国ではニセ札が蔓延するなど、現金への不信感があったこともスマホ決済普及を後押ししたが、日本は逆に「リアルマネー」への信頼感が極めて高い。9月の北海道胆振東部地震に伴う大停電では、電子マネーが使用不能になる場面もあったが、天災の多い日本では、こうした事態への備えも課題となる。(略)」

 

昨今、若者やネット世代を中心にSuicaやApplePAYなどの電子決済の利用が進んでいるためか、“キャッシュレス派vs現金派”の議論が盛んだ。

 

正直言って、筆者はこうした議論に興味が湧かない。

100%の現金使用も、100%のキャッシュレス化も支持しない。

現状どおり、現金使用を軸に必要に応じてクレジットカードや電子マネーを使えばよいだけのことだ。

 

鳥越氏みたいに、現金以外は死んでも使わぬと意地を張るのも大人げないし、「永遠に貝殻だの石のお金でやりくりしてろ」と彼を批判する意見にも賛同しかねる。

 

そもそも、国民一人一人の所得増進策をそっちのけにして決済手段の是非を論じても何の意味もない。

 

キャッシュレス化で経済が成長し国民所得が増えるならよいが、支払い方法が変わる程度のことで経済が動くはずがない。

 

どうも、政府や経産省、日経辺りのキャッシュレス化推進派は、電子決済推進により支払い手法をクール&スマート化すれば消費意欲が喚起されると勘違いしているようだ。

 

だが、国民や若者世代の懐や財布の中、預金通帳の何処を覗いても碌にカネが残っていないのに、決済方法を変えただけで消費が増えると思い込む方がどうかしている。

 

特に、20歳代の平均年収は、

・20歳代前半(男性):H9/307万円→H25/265万円

・20歳代後半(男性):H9/413万円→H25/371万円

・20歳代前半(女性):H9/258万円→H25/226万円

・20歳代後半(女性):H9/311万円→H25/295万円

といずれも右肩下がりに減り続けている。

【参照先】https://nensyu-labo.com/nendai_20.htm

 

20歳代といえば、奨学金の返済を抱えた者も多くいるだろう。

労働者福祉中央協議会奨学金に関するアンケート調査結果」では、34歳以下の2人に1人は奨学金を利用しており、借入総額の平均は312.9万円、毎月の返還額は平均1.7万円、返還期間は平均14.1年とのデータもある。

 

収入がダダ下がりのうえに奨学金の返済に追いまくられる若者世代が、キャッシュレス化程度でガンガン消費を増やすとは到底考えられない。

 

消費者庁の平成29年度「消費者意識基本調査」でも、「商品やサービスを選ぶときに意識すること」で最も多かった回答は「価格(91.1%)」であり、「1万円以上の商品やサービスについて買物や契約をするときの行動」を尋ねたところ、「衝動買いをする」に当てはまる人は 19.4%しかいない。

【参照先】http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/survey_002/pdf/survey_002_180627_0001.pdf

 

生まれたときから不況続きの若者たちは、消費に対する見方や考え方がかなり厳しく、財布の紐も固い。

彼らは、口先では「いまどき現金なんて時代遅れ」、「レジ前で財布を弄るなんて格好悪い」と言うが、いざキャッシュレス化を進めても気前よく金を使うようになるわけじゃない。

 

キャッシュレス化推進派の中には、「田舎に行くと電子マネーやクレジットカードを使えない店が多くて困る」と文句を垂れる者もいるが、どんな田舎でも、たいていの店でクレジットカードくらいは使える(※シャッター商店街とてほとんどの店にはクレジット会社のシールくらい貼ってある)ものだが、いったい彼らはどれほど寂れ切った田舎に行ったのか、不思議で仕方ない。

 

キャッシュレス化推進派の目的が奈辺にあるのか忖度するのも面倒くさいが、確実に言えることは、“決済手法だけを論じても消費は活性化しない”という事実だ。

国民の財布や預金通帳にカネが溢れぬ限り、キャッシュレス化しようが否か、消費動向に大きな影響を与えることはない。

 

キャッシュレス化ついでにもう一点触れておくが、最近ネット上で、「キャッシュレス化が進むと個人は金融機関から預金を引き出して、仮想通貨や電子マネーを購入し、そのお金は企業に預けられることになる。企業は預かったお金の大半を株や債券などで運用するから、金融機関の預金残高が減り、国債購入資金が枯渇するから日本は財政破綻する」という都市伝説未満のバカ論を吹聴する能無しがいる。(都市伝説というより、“田舎伝説”とでも呼ぶべきか…)

 

経済の仕組みすら解らぬマヌケの妄想には失笑を禁じ得ない。

 

財政破綻論を信じ込む狂信者たちは、どうも、使われたお金がこの世から消え去らないと気が済まないようだが、資金運用を目論む企業に株や債券を売った者は、それらの対価として受け取ったお金を燃やしてしまうとでもいうのか??

 

個人向に仮想通貨や電子マネーを売った企業が何の資産でお金を運用しようが、株や債券と引き換えに運用会社に渡ったお金が消えてなくなることはない。

持ち主が変わったお金たちは、別の預金口座で再び眠りにつくだけのことだ。

 

株、ゴールド、原油、債券、投信…等々、この世にあるどんな資産だろうが、最終的にはお金(マネー)に換金される運命にある。

 

あらゆるモノやサービスとの即時換金性を唯一保障された“お金”に勝る資産などないし、いかなる資産であれ、お金の呪縛から逃れられない。

 

よって、企業であれ、個人であれ、何を買おうが、何を運用しようが、使われたお金は数多ある誰かの預金口座の中に必ず保管され続けるから、国債購入原資が途絶えることはない。

 

まぁ、国債発行がそれほど気に喰わないのなら、政府が直接通貨を発行すればよいだけのことなのだが…