うずらのブログ

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商売の基本を知らぬ出版業界

ここ十数年、出版不況が叫ばれて久しいが、殿様商売に浸り切ったマスコミの連中は何の対策も打てずにいる。

 

公益財団法人全国出版協会のデータによると、2017年の出版市場規模は紙媒体と電子媒体合わせて前年比4.2%減の1兆5,916億円(紙は6.9%減、電子は16.0%増)と減少傾向に歯止めがかからない。

 

全体の市場規模はピークの1996年比で半減したと言われ、電子書籍の伸びに期待せざるを得ないが、その伸び率は年々縮小しており今後の見通しは暗い。

 

最近の書籍出版点数は8万点を超え、6万点に満たなかった1996年より大幅に増えているのに売上は半減するという憂き目に遭っている。

 

出版点数の増加は、売上をなるべく落としたくない出版社が、取次業者との委託制度を利用して、出版点数をやみくもに増やさざるを得なかったことによるが、スペースの限られた書店にはすべてを並べきれず、知名度の低い出版社の本は段ボールのまま返品されるというバカげた事態も常態化している。

(※どこぞのインチキ教師が書いたニセ経済本も返品の山になっていることだろう…)

 

こうした事態を招いた一因は、読者のニーズを足蹴にし続けてきた出版社の怠慢にある。

 

大都市圏の人間には解らぬだろうが、地方では書籍や雑誌の発売日に本が店頭に並ぶことはない。

九州や北海道は2日遅れ、中国四国や東北地方では1日遅れが当たり前で、土日を挟んで4日遅れなんてのも珍しくない。

 

筆者自身は大して本など読まぬから実害はないが、熱心な読者なら、発売日から何日も待たされイライラは募るばかりだろうとお察しする。

 

そもそも、出版業界には「発売日」という概念がなく、発売日とは、出版社が取次業者に卸す日を指すというだらしなさだから、地方在住の書籍ファンもバカにされたものだ。

 

これだけ流通網が発達した現代において、地域によって発売日が異なる業界や商品が他にあるのか?

 

しかも、出版輸送の運賃が安すぎるため、運送会社も出版輸送だけでは採算が取れず、取次業者との値上げ交渉を諦めて出版輸送そのものから撤退する運送会社もあるそうだから、事態が改善する見通しは立ちそうにない。

 

出版業界の連中は、“年間8万点を超える新刊書籍刊行数を計画的にコントロールすることが不可能”なんて見苦しい言い訳をしているが、多品種小ロットは他業界でも同じことで、出版業界だけを特別視する理由にはならない。

 

要はやる気の問題であり、消費者ニーズを足蹴にしたまま、業界横並びの慣習に胡坐をかき、情報や言論を牛耳って利権を貪ってきたナマケモノの哀れな末路が、現在に通じる出版不況なのだ。

 

売れもしないゴミ本を書籍化する暇があるなら、書籍の発売日を揃えるという商売のイロハをこそ、まず実践すべきだろう。

 

一般消費者の読書機会について、小中高生層は増えているが、大学生以降の年代層は減っているとのデータもあり、出版業界が消費者の信頼を取り戻すには、公表した発売日に全国津々浦々の書店にきちんと本を並べるという基本中の基本を守るのは当然だ。

 

市場規模が半減するということは、業界全体が瀕死の重体に陥っていると言うべき深刻な事態であり、事ここに至って、できない言い訳をくどくど並べている暇などない。