うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

電子マネーや仮想通貨は一大決済革命(失笑)

平成も終わりに近づきつつある昨今、流行の移り変わりも非常に速い。

 

ネットをだらだら眺めていると、2017年に死語化した言葉(「なう」、「とりま」、「パリピ」、「やばい」等)や2018年に死語化が予想される死語(「そだねー」、「35億」、「インスタ映え」等)が目に入ってきた。

 

筆者はこれに「仮想通貨」を付け加えたい。

 

仮想通貨が世に広まったのは昨年夏頃からと記憶するが、新たな賭博ツールに餓えた博徒どもの射幸心を擽り、年末頃に最高値を付けたものの、例のコインチェックに対するハッキング事件をきっかけに大暴落し、それ以降、冴えない相場が続いている。

 

もはや死に体と化した仮想通貨だが、いまだにこれを「電子決済革命」と持て囃す周回遅れのバカや、「まだ仮想通貨持ってないの?」とマルチ商法まがいの“つるはしビジネス”で信者からカネを巻き上げようとする怪しげな連中もいる。

 

仮想通貨を電子決済革命だと大騒ぎするバカは、LINE Payの無料送金決済サービス(※無料期間は3年間のみ)を採り上げて、「飲食店や商店などの決済手段が手数料のかかるクレジットカードからLINEに大移動する。これは銀行業の根幹を揺るがす一大革命だ」と、顔を真っ赤にして興奮気味だが、我が国のキャッシュレス決済比率(クレジットカードや電子マネーによる決済)は16~18%と、さっぱり伸びない。

 

そもそも、現金を原資とするLINE Payは仮想通貨ではない、という突込みは置いておくとして、相変わらずバカの妄想はたくましい。

 

さて、我が国初のクレジットカードは1963年の日本ダイナースクラブだと言われ、50年以上の歴史がある。

逆に言えば、50年以上も使われてきたクレジットカードの利用率が2割にも達しない以上、今後も使用頻度が劇的に伸びるとは考えにくい。

 

よって、日本のキャッシュレス決済比率の伸びは、クレジットカード以外の電子マネーの普及に期待するしかないが、国内における「おサイフケータイ」や「アップルペイ(Apple Pay)」などのモバイル決済は、決済機能を搭載したスマホの普及台数が3,000万台を超えているというのに、その利用率たるや、たったの6%でしかない。

 

巷には、“電子マネー決済が便利すぎる”、“現金払いなんて時代遅れ”とマウントを取りたがるアホもいるが、その利用率は、現金決済という分厚い壁に跳ね返され、惨憺たる敗北を喫している。

 

電子決済が思いのほか伸びない理由を探すのは、別に難しくない。

電子マネーだと使いすぎないか不安

・ハッキングや窃盗による被害が心配

・使える店が少ない

・そもそも、電子マネーが何のことか知らないし、興味もない

といった現金決済派の素朴な疑問や不安を乗り越えるだけの価値が電子マネーに備わっていないだけのことだ。

 

電子決済派は、「現金をたくさん持ち歩かなくていいし、買い物するたびにポイントもたまるし、メリットの方が多い」とドヤ顔で語るが、電子マネーのポイント還元率なんて、せいぜい0.5~2%くらいでたいしたことはない。

 

そもそも、消費者の預金口座や財布の中身が薄っぺらな状態では、どれだけイキって電子マネー有効論を説いても、決済できるだけのカネが無いわけだから、利便性云々以前の問題なのだ。

 

件のLINE Payにしても、単なる決済ツールの一つに過ぎず、これが銀行決済の牙城を揺るがすほど成長するとは到底思えない。

たぶん、来年の今頃には「LINE Payってどうなったっけ?」→「何それ? 知らな~い」とゴミ扱いされるのがオチだ。

 

消費者一人一人の消費力が落ち込み、買い物の機会自体が減り続けているのに、決済手法だけに焦点を当てて“革命”云々と騒ぎ立てる輩は知能が足りなすぎる。

電子マネー決済を普及させたいのなら、現金決済を貶す以前に、個々人の懐に決済原資となるカネを大量にねじ込んでやる方策を考えねばならない。

 

だが、“LINEが一大決済革命を起こす”と大声を上げるバカ論者は、「国債を国内で消化できる個人の純金融資産は、およそ1500兆円、一方で国の借金は1300兆円。その差、僅かに200兆円。単純計算で金融資産の13%がLINEなどの決済サービスに移行すれば、金融機関が国債を買い入れる余力が無くなり、外国人投資家に買って貰わないと、あっさりと財政破綻する」と、聴くに堪えぬほどレベルの低い論を展開している。

 

何度も指摘しているが、国債発行財源は「個人預金」だけではない。法人を含む余剰資金すべてが財源になるし、必要なら日銀がいくらでも買い取れる。

 

バカ論者は、電子決済サービスを提供する各社の口座や、モノやサービスを消費者に提供する店の口座がどこにあるのか、頭を冷やして考えてみることだ。

 

電子決済に使われたカネが、円という流通・決済通貨の呪縛から逃れてブラックホールにでも吸い込まれるかのように勘違いしていることに気づけぬらしい。

 

反財政政策主義に固執する能無しは、無限に増殖する国債発行財源を消そうとするあまり、無理筋な暴論を唱えたがるものだが、電子マネーによる預金侵食論も、そうした愚論・暴論の一つだろう。

 

くだらぬ妄想に溺れ、電子マネーや仮想通貨といった小手先の道具に踊らされる前に、国債や通貨の意味をよく勉強すべきだ。