うずらのブログ

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GoogleやAppleを凌ぐ公務員人気

『大学1~2年生が働きたい企業ランキングがカオス 上位は公務員が占める、理由は「カッコイイから」』(7/26 キャリコネ
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20170726/Careerconnection_6770.html
「リスクモンスターは7月26日、「大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」を発表した。企業ランキングと言いつつも、地方公務員と国家公務員が上位を独占した。(略)
1位は地方公務員(8.8%)だった。自由回答で理由を尋ねたところ、「収入が安定していて、休みも取れる」(1年、文系、女性)、「地方の地域活性化に貢献したい」(1年、男性、文系)といった回答が多かった。
2位は国家公務員(7.2%)で、「安定している」(2年、女性、文系)「日本のために貢献したい」(1年、男性、理系)といった理由が挙げられた。学年別に集計しても、男女別に集計しても、いずれも地方公務員が1位、国家公務員が2位となっており、学生の安定志向が伺える結果となった。(略)
就職したくない業種の1位は小売・外食(13.4%)で、自動車・重機械(8.8%)、運輸・物流(7.6%)も不人気だった。
最低限実現したい生涯最高年収は、500~600万円が18.2%と最も多く、次いで400~500万円が14.2%だった。(略)」

公務員人気は衰えを知らない。
何かと世間様から嫉みの標的にされがちな“公務員”だが、学生にとっては、相変わらず、憧れの就職先として高い人気を誇っている。
しかも、任天堂JALANAソニー日本郵便タカラトミー、サンリオなど国内の人気企業はおろか、GoogleAppleなど世界に名だたるグローバル企業を抑えてのトップ独占という偉業には脱帽するほかない。

リスクモンスター社による同調査では、地方公務員と国家公務員が、ずっと不動のワン・ツー・フィニッシュを決め続けているし、ソニー生命クラレによる「親が子どもに就いてほしい職業ランキング」でも、医者や薬剤師などを抑えて、公務員は不動の1位の座を守り続けている。

つまり、公務員という職業は日本人にとって垂涎の的であり、口先では公務員を蔑み、嫉みつつも、親子揃って公務員に憧れるという有り様だ。

それほど憧れるなら、国民は、自分や自分の子が公務員の職に就きやすくなるよう定員を増やし、門戸を拡げろ、と国に強く求めればよいものを、何を遠慮しているのか、口を開けば「公務員は無駄飯喰らい」、「公務員を減らせ、給料を減らせ」とケチをつけ、逆に公務員を狭き門にしようとする愚者の狭量さには呆れるよりほかない。

さて、ご紹介した記事では、相変わらず「公務員=安定・気楽」というイメージの回答が多かったようだが、地方や国家の区別なく、「公務員」という職場は、部署や上司により、小売・外食以上のブラック職場と化すケースも散見されるから、よくよく気を付けた方がよい。

人事院が公表した国家公務員の勤務環境に関する資料を見ると、「近年、心の健康の問題による長期病休者の数が長期病休者全体の数の6割を超える状況が続いている」、「平成25年度における精神及び行動の障害による長期病休者は3,450人(全職員の1.26%)であり、平成24年度調査に比べ74人増加」といった記述がある。

この長期病休者の休職率1.26%という水準は、民間の大企業並みとも、2~3倍にもなるとも言われており、昭和50~60年代の0.16%や平成3年頃の0.18%といった水準に比べて、7~8倍にも膨張するなど事態は深刻化している。

筆者も業務上でやり取りしていた県職員が、鬱病を発し、期中で交替した例を何度か経験しているし、彼らから送られるメールの発信日や時刻が土日の深夜や早朝であることも珍しくはない。

“公務員はメンタルヘルス対策が充実し過ぎているから、気軽にズル休みするのではないか?”といった下衆なやっかみも聞くが、単に民間企業のメンタルヘルス制度がいい加減すぎるだけのことではないか。

公務員のメンタルヘルス制度は、確かに機能しているように見えるが、制度が充実しているのを良いことに、鬱病を発症するギリギリまで部下を追い詰め、いざとなったら休職させ、別の者に挿げ替えればよいという甘えた発想のパワハラ馬鹿上司が多いのが実状だ。

この手の調査で公務員に人気が集中するのは珍しくないが、筆者が意外だったのは、「地方公務員」が「国家公務員」を抑えて1位に輝いたことと、不人気業種の常連である「小売・外食」に並び「自動車・重機械」が「就職したくない業種」の2位にランクインしたことだ。

トヨタやホンダといった日本が誇るグローバル企業を擁する自動車産業が、ブラック企業が乱立する小売・外食同様に不人気だったのは、昔みたいに消費財としての自動車に対する憧憬感が低下したのと、QC活動や英語の公用化といった意識高過ぎな就業環境が敬遠されたのか?

また、巷では、今の若者は都会志向が強く田舎に行きたがらないと決めつけられているが、そんな思い込みは単なる妄想であることがよく判る。

国家公務員とて省庁や担当部署によりド田舎での勤務を拝命することはあるが、政令市未満の地方都市や田舎で働かざるを得ない確率は、地方公務員の方が圧倒的に高い。
そんな地方で働くリスクを厭わないどころか、それを進んで希望する若者が思いのほか多くいることに、もっと着目すべきだろう。

いまや、ちょっとした田舎なら、少し車を飛ばせば買い物に困らぬだけの商業施設が幾らでもあり、安定した雇用と収入さえあれば、地方で堅実に働きたいというニーズは底堅く、都心部への一極集中是正に向けた大きなヒントになる。

それにしても、若者が希望する“最低限実現したい生涯最高年収”は「500~600万円」との回答が最も多かったらしいが、あまりの慎ましさに嘆息を禁じ得ない。
年収で500~600万円なら、手取りで400~500万円にしかならず、地方で暮らしたとしても、妻子を抱えると、ろくに旅行もできない汲々とした生活を余儀なくされる。

筆者は、国民が親子揃って憧れる“公務員”という人気職業の門戸をもっと拡げ、地方定住者の増加や地域活性化の一翼を担わせればよいと考えるが、公務員に憧れながらそれを嫉むことしか知らぬ下賤な連中が圧倒的多数を占める以上、実現可能性はゼロに近いだろう。