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うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

日銀の胃袋は底無し

異次元緩和政策は“目標未達の泥沼”に嵌まり込み身動きの取れない状態だが、敗戦の総括も反省もないままに、早くも日銀内部から出口戦略が囁かれ始めた。

『短期市場への影響見極めつつ、国債残高圧縮望ましい=佐藤日銀委員』(ロイター 3/1)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170301-00000049-reut-bus_all
「日銀の佐藤健裕審議委員は1日、徳島市で講演し、日銀は国債の残高を圧縮するのが望ましいとの見解を示した。また、現在ゼロ%としている長期金利目標は、市場の動向を追いかける形で緩やかに引き上げるべきと提唱した。
これまでマイナス圏で推移してきた消費者物価指数(CPI)が今後はエネルギー価格の上昇により2017年度後半にも1%に達する可能性があり、長期金利が急上昇する可能性もあると指摘した。(後略)」

また、佐藤氏は記事の中で、
・年80兆円という買入額はあくまで「目途」に過ぎず、日銀の国債残高を圧縮すべき
長期金利ゼロ%が長期化すれば「財政規律が弱まる」リスクが生じる
・財政への信認低下で長期金利が急騰すると日銀が抑えられなくなる恐れがある
・ヘリマネ論者の中央銀行による無利子永久国債の引受けは実務上現実的でない
とも指摘している。

佐藤氏は、白川前総裁時代に審議委員に就任した「非主流派」で、2%上昇という物価目標達成に消極的で、マイナス金利政策導入時に反対票を投じた人物(日銀の伝統的保守派とでも云うべきか…)であり、量的緩和のように金融の蛇口を弛緩させる政策を毛嫌いするのは不思議ではない。

彼は、原油価格や為替動向により今年度後半にはCPIが1%を超え、長期金利も併せて上昇圧力がかかるかもしれないと予想するが、CPI積算におけるエネルギーのウエイトは7.8%程度でしかなく、ガソリンこそ若干上がり気味だが、都市ガス代や電気代はそれ以上に下落している。
よって、ここ半年あまり、対前年比で▲0.4~+0.5辺りをウロウロしているCPIの1%超えのハードルは相当高いと思う。

佐藤氏のように、通貨の番人としての日銀の伝統的価値に拘る人種は、日銀が400兆円もの巨額の国債を押し付けられている事態に我慢ならないのだろう。
財政規律や長期金利高騰云々と、ありもしないリスクを声高に叫び、量的緩和政策を逆回転させようと必死だ。

だが、ここで日銀による国債保有額を減らしてしまうと、せっかく積み上げた400兆円もの国債の実質無効化の成果が無に帰してしまい、財政破綻論者に要らぬデマ喧伝材料を与えることになる。

佐藤氏は「財政リスク・信認低下リスク・長期金利高騰リスク」を意図的に心配するが、そうした数々のリスクは、彼が忌み嫌う財政政策&量的金融緩和政策でしか防ぎようがないというのが動かしがたい事実である。

彼の主義主張のロードマップ上に展開される
量的緩和の縮小(=出口戦略)
長期金利上昇の放置
社会保障費削減
・消費税率引上げ
・歳出改革
といった施策を断行すれば、日本経済がどうなるか、硬い頭を使ってシミュレートしてみればよい。

こうした逆噴射的緊縮政策によって、間違いなく実体経済は凍結し、大デフレ時代の到来を経て崩壊へと突き進むだろう。
そして、その先に待っているのは、「失われた20年」なんて生やさしいモノじゃなく、「壊国した50年」や「途上国化した50年」であろう。

彼のように、「財政規律」を基点に物事を考えたがるバカ者は、政策の拡張性や発展性が皆無だ。

「財政」なんて、所詮は国庫を出入りする資金量の積み上げでしかないのに、財政規律の厳格性に拘る有意性などどこにあるのか?

どうも、財政破綻主義者の連中は、国家財政を企業会計の如くバランスシート化して考えたがるが、政府や日銀の資金の出入りをバランスシート的視点で捉える必要などない。
無理やりバランスシートに押し込めようとすれば、赤字だの、債務超過だのと要らぬ雑音が入り、経済政策のベクトルが緊縮へと振れやすくなる弊害が生じる。

通貨発行権を有する国家という存在をバランシート的発想で理解すること自体が不自然であり、大福帳でもつけて資金の出入りさえ管理していればよい。

肝心なのは、デフレや不況を放置したまま財政規律を死守することではなく、実体経済のメインプレーヤーたる民間経済主体のバランスシートを強化することだ。

佐藤氏みたいに、量的緩和の出口戦略を語るなんて時期尚早であり、日銀には、まだまだ大量の国債を飲み込んでもらう必要があるだろう。


日銀も、既発債は食べ飽きただろうから、政府も財政法第5条を改正して、新鮮で活きの良い新発債を大量に用意し、日銀に御馳走してはどうか。