うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

今日より豊かな明日が実現できる社会を!

『若手社会人に聞いた!』(マイナビフレッシャーズ 2015年)
Q 将来父親の年収を超えられると思いますか?
「はい」20.9% 「いいえ」79.1%
・100%不可能。父はいい時代に生きていい職場で長年勤めることができてきたが、自分はそんなに稼ぐことはできないから(女性/25歳/医療・福祉)
・バブル時代の昇給率にはかなわないので(女性/27歳/小売店)
・景気が良くなったり、昔のようにボーナスが一度に4カ月分もらえるようなことは考えられないから(男性/25歳/団体・公益法人・官公庁)

Q.親の年収をいつかは超えたいとおもいますか?
「はい」40.8% 「いいえ」59.2%
・親の年収が高すぎて、夢のまた夢(女性/27歳/食品・飲料)
・バブルを生きていた親の年収は超えられないと思う(女性/27歳/通信)
・今の景気や働き口では、親の年収を超える日はこない(女性/23歳/金属・鉄鋼・化学)

上記によると、若手社会人に父親の年収を超えられるかどうか聞いたところ、8割近くが無理だと答え、6割近くが超えたいという意欲すら失っている。

中間層の没落が大きな社会問題になっているアメリカでも、いまの30歳代の5割が、親世代の収入を超えられないというデータがある。

『米国の所得伸び悩み、半数が親世代超えられず 中間層に閉塞感、「アメリカンドリーム」は衰退』(WSJ 2016/12/9)
http://jp.wsj.com/articles/SB10133893654180563918204582485840879002650
「米国で8日発表された調査結果によると、30歳時点で自分の親の同じ年頃の所得を上回る人は半数程度にとどまることが分かった。(中略)
 スタンフォード大学ハーバード大学、カリフォルニア大学の経済学者と社会学者からなるチームは経済的機会の格差について調査。「アメリカンドリーム」は健在なのかを独自の尺度で調べたところ、衰退しつつあることが分かった。具体的には、納税や国勢調査のデータをもとに1970年以降の30歳の米国人の所得を親世代の同年齢での所得と比較した。
 1970年には30歳のときに親の同年齢での所得を上回る人は92%いたが、2014年には51%に落ち込んだ(後略)」

20年以上も不況に甘んじてきた日本と違い、アメリカ経済は表面上成長を維持し、ここ20年間で名目GDPを2.3倍にまで膨らませてきた。
にもかかわらず、親世代の年収を超えられるのは若者世代の半分しかいないという。

上記の記事の続きには、
「親よりも稼ぎが多い若者は1970年から1992年(58%)頃にかけて急激に落ち込み、その後10年ほど横ばいだったが2002年に再び低下し始めた。(中略)
研究チームの試算によると、所得配分が富裕層に偏っている現状が続くならば、ほぼすべての子どもが親の収入を超えていた時代に戻るためには、年率6%以上(インフレ調整後)の経済成長を維持する必要がある」
とあり、中間層の没落と、多国籍企業による海外直接投資(工場移転)の増加が雇用輸出(流出)につながったと指摘される時期とが一致する。

我々から見ると呑気に暮らしているように見えるアメリカ人たちだが、市井の人々は、出口の見えない深いトンネルの中にいる。

『マスコミに載らない海外記事~アメリカの産業空洞化』より
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-09db.html
「アメリカの経済マスコミの報道からは決して知ることはできないが、現在、アメリカ人が直面している悲惨な就職見通しは、30年前のインドのそれに匹敵する。
アメリカの大学卒業生達が雇用される場合があるとすれば、ソフトウエア・エンジニアや、管理職としてではなく、ウエイトレスやバーテンダーとしてなのだ。彼等は独立して暮らすほどの収入がえられず、親元で暮らさざるをえない。
学資ローンを抱えた人々の半数は利息を支払えずにいる。18パーセントは、取り立て中か、滞納しているかだ。更に学資ローンを抱えた人々の34%が繰り延べか、債務履行猶予状態にある。明らかに、教育は解決策にはならない。」

「国民の三分の二が、400ドルの現金も用意できないような悲惨な状況で暮らしている。国民の貯蓄は、暮らしを維持する為に、引き出されつつある。
大企業は、将来の為に投資する為ではなく、自社株を買い戻す為に資金を借りて、株価、CEOボーナス、大企業債務を押し上げている。1パーセントの人々の所得と富の増加は、生産的な経済活動ではなく、略奪で得ているのだ。」

アメリカという巨木の根や幹は修復不能なほどに腐りかけ、譬えようのないほどの不安感と鉛のような停滞感がアメリカ社会を覆っている。

トランプ大統領が就任演説で、
ワシントンD.C.から国民の皆さんへ政権を取り戻す
・この国の忘れ去られた人々は、もう忘れ去られることはない。誰もが皆さんに耳を傾けている
・私たちは2つの単純なルールに従う。アメリカ製の商品を買い、アメリカ人を雇うことだ
デトロイトの子供であろうとも、ネブラスカの風が吹き抜ける大地に住む子供であろうとも、同じ夜空を見上げ、同じ夢を心に見たすことができる
と強く訴えた意味がよく解る。

トランプ氏は、“真面目に働き、豊かな暮らしを手に入れたい”というささやかな願いすら、グローバリズムを盾に身の丈を超える贅沢だと却下され、雇用を脅かす不法移民に不満を述べようものなら、時代錯誤の差別主義者だと蔑まれてきたアメリカ人の怨嗟の声を代弁したかったのだろう。

翻って、我が国の若者世代を取り巻く惨状はアメリカ以上で、上昇意欲も極めて低く、“バブル時代には到底敵わない”と早くも白旗を上げるありさまだ。

世間では、いまだにバブル期を特別視する風潮が根強いが、もう四半世紀以上も前の話であり、バブル期の名目GDP成長率もたかが平均で4.6%でしかない。
経済政策の立案や執行に携わる者だけでなく、国民の多くが、こんな低い壁すら超えようとする気概も持てないようでは日本も終わりだろう。

バブル崩壊後の社会的実証実験で、緊縮財政・構造改革・野放図な規制緩和・資本移動の自由化・金融政策一本足打法・消費税増税等々、あらゆる愚策が実施され、いずれも悪手であることが実証されている。

我が国は、20年以上という長い時間を無駄にし、ロスジェネ世代など貴重な人材に多大なる苦労を背負わせてしまった挙句の果てに、実戦力の無い政策や、やってはいけない政策が何であるかを、身を以って学ぶことができた。

親の身長を超えるのは難しいかもしれないが、親世代の収入を超えるのは、さして難しいことではないはずだ。

為政者は、多くの犠牲の上に得た教訓を活かさねばなるまい。