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うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

最悪との比較で満足するな‼︎

先日、図書館に行った際に昔の新聞を捲っていて驚いたことがある。
平成3年頃の新聞を眺めていると、本田技研工業期間工募集広告が目に入り、そこには「月収例43万円、契約満了一時金90万円」という景気の良い条件が記載されていた。

今なら幾らくらい貰えるのかとネットで検索したところ、本田技研工業熊本製作所の募集広告があり、月収例27万円、満了一時金3カ月で9万円支給 6カ月で9万円支給 9カ月で15万円支給 12カ月で15万円支給(計48万円)であった。

世界ブランドランキングで、日本企業としてトヨタに次ぐ21位につける世界のホンダですら、いくらバブル期との比較はいえ、25年以上も前の雇用条件にすら手が届かないどころか、当時の6割程度にしかならぬ待遇のショボさを見て悲しくなってきた。

最近のホンダの決算を見ると、連結売上が14兆円、当期利益が4千億円と、間違いなく平成3年頃とは比較にならぬほどの増収増益を果たしているにもかかわらず、そうした果実は雇用条件にまったく反映されていない。

グローバル化の先進企業たるホンダが、世界展開で得た利益は、海外雇用の労働者や役員報酬、配当金などに廻され、、国内の労働サイドには十分に分配・還元されていない事実が観て取れる。


広い世間には、アベノミクスや金融政策に対して、「雇用数が大幅に増えた」、「民主党政権時に比べれば遥かにマシ」などと過大評価する輩がいるが、いったい何を考えているのか?

比較対象のバーを極端に引き下げ、常に「最悪との比較」をして低レベルな満足感に浸っているのは、さぞ気持ちが良かろう。
だが、落第点(30点くらい?)しか取れない学生が、隣りの落第生と比べて“俺の方が2点高いぞ”と自慢顔していたとしたら、良識ある読者の皆様なら、何と思うだろうか?
(※筆者なら、教科書の角でバカ学生の頭をぶん殴るだろう)

先ず、近年の雇用数増加は、明らかに、人口動態の変化(人口ボリュームの多い生産年齢層の定年期到来と再雇用措置)によるものと、家計の窮乏による主婦層や学生層のパート・バイト人口の増加に過ぎないし、雇用の質も悪化するばかりだ。

総務省による「労働力調査平成28年7~9月期平均」でも「正規の職員・従業員は3360万人と前年同期に比べ31万人の増加。7期連続の増加。非正規の職員・従業員は2025万人と54万人の増加。15期連続の増加」と、非正規雇用増加の勢いが止まる気配がない。

しかも、正規雇用とはいえ、「ブラック労働の横行、厳しいノルマ、社内教育制度の衰退、過度な自己啓発の押し付け、低賃金、ポスト不足、福利厚生制度の貧弱化」といった七重苦に直面しており、『名ばかり正社員』と言ってよいほど惨めな待遇だ。

最近の新入社員の初任給が、20年以上前の水準とほとんど同じとのデータもあり、雇用が改善したと手放しで褒めるバカ者には、“お前たちの目は腐っているのか”と厳しく指摘しておく。

安倍政権になってから4年以上が経過するのに、安倍信者どもや金融緩和万能論者の連中は、いつまで「民主党時代と比べれば…」という言い訳を続けて逃げ回るつもりなのか?

4年間という期間は、政治・行政的時間軸で言えば、すでに「長期」の領域であり、それだけ時間があれば、目に見える経済的成果を上げていなければならない。

落第生同士で傷を舐め合っても、満足のいく生活水準を取り戻すことはできないことを肝に銘じるべきだ。


思えば、バブル期は、雇用に対する絶大な安心感があった。

たとえ失職しても、ホンダの期間工で1~2年稼いで糊口をつなぎ、再起を果たせるようなチャンスがそこいら中に転がっていた。
タクシーの運転手しかり、長距離トラックドライバーしかり、少々無理をすれば月収40~50万くらいは稼げるような仕事が幾らでもあり、労働者にとっても、もしもの時のバッファーとして心強いものだった。

グローバル化は世界の潮流だ」、「金融政策こそ主流かつ最先端の経済政策だ」という寝言しか吐けぬ愚か者には、『屁理屈は聞き飽きた。25年以上も前の時代より良い雇用条件を早く実現してみろ‼』とキツく言っておく。