うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

外需にシッポを振る狗たち

『主要122社アンケート トランプ次期米政権「期待」51%』(産経新聞 1/4)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170104-00000024-san-bus_all
「今月20日に発足するトランプ次期米政権について、過半数の企業が「期待」していることが3日分かった。
産経新聞社が主要企業122社を対象に実施したアンケート(無回答を除く)では「期待する」が51%に達し、減税やインフラ投資など、米国景気を刺激する政策への期待が目立つ。(中略)
トランプ次期政権の経済政策で期待することを2つまで挙げてもらったところ、最も多かったのは「減税やインフラ投資」の57社で、「各種規制の緩和」が36社で続いた。(後略)」

米トランプ次期大統領 の就任に伴う米国経済への期待感から、昨年末には望外の円安株高となり、「好景気=株高」という貧相な発想の経営者や株屋が大騒ぎしている。

トランプ氏当選が報じられた際には、排外主義や保護主義的政策を掲げる氏への失望感から、政・官・財・報をはじめ、富裕層や識者を称する連中は、一様に“お通夜状態”だったくせに、いざ、円安株高になると、コロッと手の平を返して、アメリカに美味しい餌をおねだりしようとしている。

記事のとおり、トランプ氏に期待する政策として、「減税やインフラ投資」が最も多く、
「世界経済の中心である米国の景気が上向きになれば、波及効果により他国の景気にも良い影響をもたらす」(建設)、
「トランプ新政権下の米国景気が財政出動で上振れる」(銀行)、
と手放しの褒めようだ。

筆者が、間抜けな負け犬根性のヘタレどもに言いたいのは、「なぜ、自国のリーダーに、減税やインフラ投資を強く求めないのか?」ということに尽きる。

経団連は、2015年5月に発表した『財政健全化計画の策定に向けた提言― 経済再生・社会保障改革なくして財政健全化は達成せず―』で、政府に対して、社会保障費削減や地方交付税の厳格化などを柱とするプライマリーバランス是正や財政健全化(=歳出削減)を強く求めており、その方向性は現在でも維持されている。

一方で、産経新聞社のアンケートに回答した大手企業経営者たちは、減税やインフラ投資などの財政出動がアメリカの実体経済を上向かせることを認めている。

また、新政権に期待する政策は、減税やインフラ投資といった財政政策に関するものが堂々のトップだったのと比べて、経済政策のメインストリームであるはずの「金融緩和政策」の文字はどこにも見当たらない。(もう賞味期限切れか??)

こうした経営者層の不見識や自分勝手さには呆れるよりほかない。

インフラ投資や減税がアメリカ経済の活性化に効くことを認め、それに期待するくせに、自国のこととなると、真逆の態度を取り、頭ごなしに財政政策を否定するとは何事か。

日本はアメリカとよく似た内需主導型の経済構造であり、需要の国内循環に直結する財政政策の効き目は我が国でも相当強いことは自明の事だ。

“アメリカからの波及効果”なんてみみっちい話をするのではなく、自国に大規模かつ長期間の財政政策を求め、直接的な経済効果を享受すればよいではないか。

経団連も、先の『財政健全化計画の策定に向けた提言』の中で、
内閣府の中長期試算によれば、潜在成長率にとどまるベースラインケースに比べ、経済成長率が高まる経済再生ケースの方が、プライマリーバランス赤字はより多く縮小する結果となっている。
このように、財政健全化を図るうえで、今後、デフレ脱却・経済再生を実現し、経済成長を高めることは極めて重要な取り組みである。」
と、経済成長や経済再生の重要性を認めている。

彼らが決定的に欠けているのは、成長や再生を実現させるための政策手段と政策の優先順位を選択する能力であろう。

まず、“将来へのツケ回しを放置してはならない”という醜悪な妄想を廃棄せねばならない。

なぜなら、緊縮財政がもたらす国民生活の質の低下とマクロ経済の停滞こそが、購買力や技術革新を喪失させ、それにより国力が低下し、将来世代への膨大な損失の累積につながり、返済不能なツケ回しをすることに他ならないからだ。