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うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

リフレ派の詭弁師ぶりは1000年経っても変わらない

勉強不足で頑迷な“自称知識人”ほど始末に負えない者はない。

 

浜田宏一氏インタビュー 「金融緩和を続けながら財政出動を」』

週刊エコノミスト https://www.weekly-economist.com/2016/12/27/

 

(聞き手)

アベノミクスで日銀が掲げた「物価上昇率2%」の目標は達成されていない。

(浜田氏)

アベノミクスは当初、効果があった。雇用者数は増え、企業収益は改善し、大企業を中心に賃上げの動きも広がって、政府の税収も増えた。アベノミクスの成果を否定する論者は、新卒者が就職難だった時代に戻れと言っているのと同じだ。

(中略)

初期のアベノミクスで効果が出たのは、人々により新しいインフレ的なレジーム(政策)を期待させたこともあるが、一義的には量的緩和が円レートの下落と結びついていたからだ。

(中略)

円市場が動く時には金融政策だけで十分な収穫があったが、金利がほぼゼロの状況の中で徐々に量的緩和の効果が薄れつつある。

 

(聞き手)

これまでは財政出動を主張していなかった。

(浜田氏)

2016年8月に米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた会合でクリストファー・シムズプリンストン大学教授が発表した論文を知り、考えが変わった。

シムズ教授は日本の現状について「金利がゼロに近い状況で金融緩和は効かず、マイナス金利の深掘りも金融機関のバランスシートを損ねるが、財政出動も併せて行えば効果はある」という指摘をしている。

(後略)

 

(聞き手)

11月15日付『日本経済新聞』朝刊のインタビュー記事で「かつて『デフレはマネタリーな現象だ』と主張していたのは事実で、学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない」と発言したことが、一部で「リフレ政策や量的緩和を否定する発言」と解釈されて話題になっている。

(浜田氏)

量的緩和という薬Aが最も日本経済に効くと考え、金融政策を進めてきた。そしてそれがアベノミクス初期には予想以上に効いた。

今回の私の発言は、患者の状況が変化したので、これから財政政策という薬Bも併用したほうがAの効果も強まると言っているに過ぎない。アベノミクス初期にはAだけでもこれだけ効いたのだから、Aだけを勧めたことを批判されるのは心外だ。

私が「デフレは専ら貨幣的現象だ」と言っていたのは事実だ。岩田規久男・日銀副総裁が主張してきた金融政策も同じような考えによるもので、アベノミクスは日本経済を生き返らせるのに成功した。

しかし、5%から8%という高率の消費税引き上げにより、総需要、特に消費需要がマイナスの影響を受け、金融政策による日本経済の救済の妨げになっている。

 

(聞き手)

金融緩和のためには、日本国債でなく、米国債など外債を購入するという選択肢もあるのでは。

(浜田氏)

その通りだ。しかし、米国債の購入も、事実上の為替介入だとして米国は文句を言うかもしれない。特にトランプ氏はそういう問題に派手に反応する可能性がある。

 

(聞き手)

17年の日本経済に楽観的か、悲観的か。

(浜田氏)

米国が財政出動をすれば景気もよくなり、日本経済にも波及するので、目先は楽観的。

だが、トランプ政権は矛盾だらけの政策を追求しそうなので、予想外の波乱もあるだろう。

 

 

浜田氏の幼稚な言い訳は、誠に見苦しい。

敗軍の将が語るべきは、事実に基づく敗因分析と今後の改善方針であって、自己保身のための詭弁ではあってはならない。

 

浜田氏の根本的な誤りは、「初期のアベノミクスで効果が出たのは、(中略)一義的には量的緩和が円レートの下落と結びついていたからだ。(中略)円市場が動く時には金融政策だけで十分な収穫があった」という発言に集約されている。

 

これでは、日本史上初の「インフレ・ターゲット政策」は、円安効果を狙った単なる為替操作に過ぎないことになる。

しかも、都合が悪くなるとリフレ派の連中の口から飛び出す「我々は財政政策を否定していない(# ゚Д゚)」というセリフが、まったくの嘘で、金融政策一本足打法への飽くなき固執を吐露してしまっているではないか。

 

浜田氏は、シムズ論文を読み、金利がゼロに近い状況では金融緩和は効かないが、財政出動を併用すれば効果があることに気付いたと語っている。

しかし、その程度の基本認識は、既に何年も前から、国内の論者やブロガーが繰り返し指摘しており、氏や、それを支持するリフレ派の連中の勉強不足ぶりを裏付ける証左とも言える。

 

そもそも、アベノミクスがスタートした2013年には、既に国債金利は1%を切って「金利がゼロに近い状況」になっていたはずで、浜田氏の「(量的緩和政策が)アベノミクス初期には予想以上に効いた」という発言と、「金利がゼロに近い状況で金融緩和は効か(ない)」というシムズ論文に感化されたという発言は、明らかに矛盾する。

 

金利がゼロに近いアベノミクス初期に、ゼロ金利近辺で効き目の無くなる金融緩和政策が効くはずがなかろう。

 

いい加減な詭弁師の発言は、常に変化と矛盾を孕んでいるものだ。

 

また、浜田氏の「量的緩和という薬Aが最も日本経済に効くと考え、金融政策を進めてきた。そしてそれがアベノミクス初期には予想以上に効いた。今回の私の発言は、患者の状況が変化したので、これから財政政策という薬Bも併用したほうがAの効果も強まると言っているに過ぎない。アベノミクス初期にはAだけでもこれだけ効いたのだから、Aだけを勧めたことを批判されるのは心外だ」という発言は、事実誤認も甚だしい。

 

アベノミクス初期の経済効果は、明らかに10兆円規模の補正予算によるものであり、金融緩和政策は、その従者としておこぼれに与かっただけのことだが、政策のメインストリームにいた立場を悪用して主人の手柄を横取りしたに過ぎない。

 

浜田氏は、やたらとアベノミクスを持ち上げ、莫大な成果があったかのように騙っているが、現実はそんな詭弁を軽く吹き飛ばすほど厳しいものだ。

 

帝国データバンクの『2017年の景気見通しに対する企業の意識調査』によると、2016年の景気動向について「回復」局面だったと判断する企業は5.7%、「踊り場」は53.9%、「悪化」局面は19.3%という結果で、アベノミクス初期の2013年調査時の「回復」26.2%、「踊り場」47.4%、「悪化」8.0%と比べて、明らかに悪化しているが、“アベノミクスの成果”とやらは、いったいどこへ行ったのか?

 

また、同じく帝国データバンクの『金融緩和政策に対する道内企業の意識調査』によると、金融緩和政策の効果について実感があるか尋ねたところ、「実感はない」と回答した企業が 62.9%、「分からない」が26.3%と9割近くがその効果を実感しておらず、「実感がある」は 10.8%に止まっている。

 

企業規模別でも、「実感がある」とした企業は「大企業」が 7.3%、「中小企業」が 11.5%、(うち「小規模企業」が 8.8%)となり、金融緩和による為替効果やアベノミクス効果を真っ先に享受したはずの大企業でさえ、9割以上が効果を実感できていないという散々な結果に終わっている。

 

では、アベノミクスや金融緩和政策の効果をちっとも実感できなかった企業は、いったい何を望んでいるのか?

 

その答えは、先の『2017年の景気見通しに対する企業の意識調査』に載っている。

 

アベノミクス効果を実感できない企業に、景気が回復するために必要な政策を尋ねたところ、「個人消費拡大策」が5 年連続トップとなり、次いで「所得の増加」「年金 問題の解決(将来不安の解消)」「個人向け減税」「公共事業費の増額」が続いている。

 

景気回復に必要な政策トップ5は、いずれも財政政策の範疇に属するものばかりで、金融緩和政策の出る幕なんてない。

せいぜい、量的緩和でも続けて、財政政策の財源捻出と急激な金利高騰防止役としてサポートに廻っておればよい。

 

また、浜田氏は、金融緩和による外債購入を容認するトンデモ発言をしているが、わざわざ欧米の資金調達に手を貸してやる必要などない。

おとなしく日本国債を買うだけで十分だし、量的緩和政策により高度な柔軟性を持たせるために、日銀の直受けができるよう法改正を働きかけるべきだ。

 

能天気な浜田氏は、自身の大矛盾を棚に上げ、「トランプ政権は矛盾だらけの政策を追求しそう」なんて言っているが、トランプ氏に鼻先で嘲笑されるだけだろう。