うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

国民の苦境を理解できぬ奴は選挙に出るな!

ここ最近、参院選の選挙期間中であることを忘れるくらい各党の政策論争が停滞している。

筆者も、頭の中では選挙に行かねばならぬことを解かっていても、与野党から提示されたマニフェストのレベルの低さに開いた口が塞がらず、正直に言うと、選挙に行く気が失せつつある。

せっかくの選挙権を放棄するつもりはないが、意に沿わぬ候補者や政党の名を投票用紙に書かねばならぬかと思うと、うんざりするのが正直な気持ちだ。

そもそも、主要政党から泡沫政党まで見渡しても、まともな構想も政策も持ち得ていないところばかりだから、熱い議論を期待する方が間違っているが、イギリスのEU離脱問題にすっかり話題をさらわれたばかりか、野党共闘の目玉だったはずの共産党議員の舌禍問題(例の“防衛費は人殺し予算発言”)により、残念ながら、早くも与党の楽勝ムードが漂い始めた。

政党の各候補は、与党は“アベノミクスの成果”を謳い、野党は“アベ独裁政治を許さない、憲法改正阻止、戦争法案(呆)阻止”を訴える、といったていたらくで、与野党とも、国民の政策ニーズを端から無視して、緊急性や緊張感に欠ける選挙運動を展開している。

いったい、彼らの頭の中にある“お花畑”には、どんな花が咲いているのか?

これでは、投票率の低下に歯止めが掛からないのも止むをえまい。

今回の参院選は、選挙年齢の18歳への引下げが初めて適用される重要な選挙のはずだが、ガラクタや賞味期限切れの商品ばかりがぎっしり詰まったショーケースから、好きなものを選べと言われても、若い世代の心に響くことはあるまい。(記念投票くらいにはなるだろうが…)

自公の連中は、オカラ建築並みに中身の薄い“アベノミクスの成果”とやらを喧伝しているが、求人倍率のアップは、まともな求人先がないことによる求職者(分母)の減少と介護福祉職やパートなどの低賃金労働の求人数(分子)の増加に過ぎないし、税収増云々も、単に消費税増税分が加算しただけのことだし、そもそも、最優先で増やすべきは国民所得であって、税収なんて後回しでよく、自慢する類いのものではない。

アベノミクスの成果を謳うつもりなら、家計の消費支出下落に歯止めが掛からない状態(2016年4月実績は前年同月比0.4%減少、ここ1年間で10回目のマイナス計上)を、どう説明するつもりか?

負け試合に打った数少ないヒットを称えて、勝ち試合に摩り替えるような卑怯な真似はよした方がいい。

一方の野党の連中も、まったく進歩しない。

民進党は、「分配と成長の両立」を旗印に、“「人への投資」「働き方革命」「成長戦略」を力強く、実行します”と謳っているが、例の「コンクリートから人へ」の臭いがプンプン漂ってくる。

「人への投資」なんて言っているが、財政政策や公共投資への嫌悪感を隠そうとしない連中のことだから、公共事業の予算を削って福祉予算に充てようとする魂胆が丸見えだ。

「働き方革命」や「成長戦略」なんてキーワードも、新自由主義に染まった自民党のいかがわしい公約の丸パクリで、同一労働同一賃金のごり押しによる正規雇用の瓦解や潜在成長力強化のようなサプライサイド教の蔓延を招くだけだろう。

最悪なのは、「目標と実現までの戦略を定める財政健全化推進法をつくる」と財政政策を事実上放棄している点で、財金政策抜きの成長戦略なんて、ガソリンが入っていない車のアクセルをふかすようなもので、まったく意味がない。

最近、何かと話題の尽きない共産党は、「安保法制=戦争法廃止、立憲主義の回復、安倍改憲を許しません」、「日本を殺し、殺される国にしてはなりません」と、60年前の安保闘士が書いたマニフェストかと見紛うような的外れぶりを露呈している。

彼らのように時が止まった人間には、中国による我が国の領海・領空侵犯事案の頻発により、自国の安全保障が脅かされている現状が見えないようだ。

安保法案の細かい中身の論議はともかく、外敵による侵犯行為に対する防衛体制強化を蔑ろにするような主張が、広く国民の支持を受けるわけがなかろう。

自党の議員による“人殺し予算発言”も、自衛隊による数多くの災害救助実績が国民から高い支持と共感を得ていることにまったく気付けていないことによるボーンヘッドであり、議員のくせに、ここまで世論を読めないものかと、却って心配になる。

「日本を殺し、殺される国にしてはなりません」なんてセリフにも呆れるよりほかない。

今の日本人の中に、日本が他国に侵略戦争を仕掛けるなんて真面目に心配している変わり者が、いったいどれくらいいるのだろうか。

日本のみならず、ほとんどの国々は、事実上、専守防衛を柱とする軍事態勢を敷いており、何かと好戦的なイメージの強い米国やロシアとて、ごく限られた地域の紛争はともかく、ある程度の規模の軍事力を有する国との本格的に事を構える気概などない。

定期的に“無慈悲な制裁”を連呼する北朝鮮も、ミサイルの発射練習をする際には、誰にも迷惑が掛からぬよう、わざわざ日本海の隅っこを狙って慎重に発射するし、仇敵であるはずの韓国とも、国境を挟んだ拡声器による怒鳴り合い(声闘(ソント)合戦)でお茶を濁すありさまで戦争のリスクなど微塵も感じられない。

与野党が雁首を揃えて、国民のニーズとはまったく相容れないマニフェストを掲げたところで選挙戦が盛り上がるはずがない。

与党は、緊縮的な財政運営を前提に、さらなる改悪や過度なフリートレードの推進に邁進する一方で、対する野党も、緊縮&改悪という与党の基本路線を踏襲したままで、予算の付け替えや防衛体制の弱体化といった勘違いも甚だしい主張を繰り返すばかりだ。

これだから、与党の連中が悪乗りして羽目を外すのだろう。

先ごろ、新生銀行から「2016年サラリーマンのお小遣い調査」が公表され、男性会社員のお小遣いは過去3番目に低い水準に止まり、昼食代の平均額は600円を下回り、7割以上が消費税8%への引き上げによる負担を感じているとの結果が出た。

http://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2016/160629okozukai_j.pdf

政治家たるもの、こうしたデータを丹念に拾っていけば、国民が直面する課題は何か、それを解決するために自分が何をすべきか、自身や自党のマニフェストはどうあるべきか、について、すぐに答えを出せるはずだろう。

与野党が揃いも揃ってまともなマニフェストを示せないのは、日ごろの勉強不足に加えて、国民のニーズや情報をキャッチするためのアンテナの故障のせいだろうが、本質的な要因は、彼らの経済政策に対する無関心ぶりや財政政策に対する偏見や理解不足にあると思う。

各政党のマニフェストが見当違いの方向を指し示しているのは、彼らが財政健全化信仰に縛られ、積極的な財政政策は未来に禍根を残す悪行だと信じ込んでいるためで、だからこそ、与野党を問わず、勝手に経済政策に見切りをつけ、“財政再建社会保障改革・規制緩和・安保反対”だのと下らぬ方向に政策が散逸してしまうのだ。

こうした根本的な弊害が取り除かれ、一日も早くマニフェストがレベルアップすることを願っているが、それが実現されるのは何時になることやらと半ば諦めてもいる。