うずらのブログ

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模範解答をあえて無視するバカ者

衆院補選 「安保語ってほしかった」北海道5区』

毎日新聞 4月25日(月)配信)

http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160425/k00/00m/010/126000c

「夏の参院選を控え、今後の政局を占うとして注目された衆院ダブル補選。接戦となった北海道5区は自民党議席を死守。京都3区は民進党が結党後、初議席を獲得した。安全保障関連法の成立・施行後、初の国政選挙で最大の争点だったが、与野党とも直後に発生した熊本地震への対応に追われるなどし、論議は深まらなかった」

先週日曜日に投開票を終えた衆院選補欠選挙は、すでに報道のとおり、北海道5区では自民党が、京都3区では民進党が勝利した。

京都3区は自民党の不戦敗が決定していたため、民進党をはじめ野党サイドとしては連勝に期待をかけていただろうが、北海道5句は1.2万票余りの差で惜敗に終わった。

惜敗とはいえ“敗戦”に変わりはなく、自民党の党勢を削ぎたいと願う勢力には残念な結果となった。

今夏の参議院選の前哨戦として、安倍首相の政権運営やそれに唯々諾々と従うしかない与党の情けない連中に「NO」を突き付けるチャンスでもあったが、それを果たすには至らなかったようだ。

京都3区で、いかがわしいおおさか維新のバカが大差で落選したのが、唯一の収穫と言えようか。

この結果を受けてマスコミ各社は、「アベノミクスが一定の評価を得た」、「安保関連法案阻止の訴えが浸透しなかった」などと報じているが、相変わらず勘違いも甚だしい。

アベノミクスの恩恵なんて、官製会議に寄生する一部の大企業にしか及んでいないし、安保や憲法改正なんて、そもそも議題にすら上がっていない。

北海道5区の2候補者の得票結果を見てみると、互いに支持母体の9割以上を固めた守りの選挙だったようだ。

その中で、野党側候補池田氏無党派層の7割以上を固めたとされており、しかも、前回自民党(故町村氏)に投票した人の21%を奪取したとされているが、結果として僅差で敗れている。

全体の投票率は57.63%と2014年の衆院選を下回っており、参院選の前哨戦という触れ込みの割りに、有権者の関心はかなり低調だったことが窺える。

では、その理由は何だろうか。

今回の選挙で最も重視した政策や争点について、地元の北海道新聞のアンケート調査結果によると、①社会保障24.9% ②景気・雇用19.4% ③安全保障10.9% ④子育て・教育10.3% ⑤憲法改正9.1% ⑥消費税増税3.6% ⑦TPP1.9%となっており、いつものことだが経済問題(社会保障も結局は経済問題の一部にすぎない)への関心が上位を占めており、“戦争法案云々”など、どうでもよいというのが有権者の本音なのだろう。

だが、今回の選挙で両候補は、こうした有権者のニーズを無視する形で、与党支持の和田氏は、故町村氏からの議席継承や誰も実感していない“アベノミクスの効果”とやらを訴え、一方の野党支持の池田氏は、表向きこそ福祉政策を謳いつつも、実際には安保法案反対を前面に出して対抗した。(支持者の連中が、全共闘世代の妄想老人ばかりだから仕方なかったのだろうが…)

これでは、有権者の関心や熱意が急降下してしまうのも無理はない。

資料によると、北海道5区は札幌市の一部と周辺市町村からなり、池田氏は札幌市、江別市の大票田で和田氏を上回ったほか、札幌市のベッドタウンである北広島市石狩市でも僅差で勝利している。

一方、千歳市恵庭市当別町新篠津村では敗れている。

特に、自衛隊の駐屯地のある千歳市恵庭市で大敗(両市合わせて1.7万票差)しており、その影響が全体の勝敗の帰趨を決したと言えよう。

だが、安保法案反対を旗印に抱える以上、両市での苦戦は想定の範囲内であり、選挙の肝は、有権者数の多い札幌市や江別市で、いかに多くの無党派層を掘り起こせるかにあることくらい容易に想像がつく。

だが、両候補者とも、見事に有権者のニーズを無視し、自分たちの言いたいことだけを連呼するだけに終始し、特に、攻める立場のはずの野党候補者が、関心の高い景気や雇用問題に具体的に踏み込めないようでは勝利はおぼつかない。

今回の補選に限ったことではないが、選挙の争点に関する有権者のアンケート調査結果は、いわば、事前に配布される“テストの回答集”だと言ってよい。

有権者が、わざわざ、「回答集を見て、こちらのニーズに合う公約を作ってくれ」と言っているのだから、選挙に関心の薄い無党派を取り込むのに大いに活用すべきなのだが、与野党を問わず政党側はこれを軽く無視しがちだから有権者との齟齬が生じ、回を追うごとに投票率が低下してしまう。

今回は、北海道5区も京都3区も、いずれも投票率は低調だったようだが、直前に発生した熊本大震災の影響とばかり言えまい。

なぜなら、両選挙区とも、選挙の争点がはっきりせずに、公示以前からまったく盛り上がりに欠けていたからだ。

震災という突発事が発生していなくとも、恐らく低調な選挙に終わったことと思われる。

国民も、日ごろは、“国の借金が心配だ”とか“財政赤字のせいで年金がもらえなくなるかも”なんていらぬ心配ばかりしているが、いざ選挙になると、“地方に仕事をくれ”、“年金支給額を引き上げろ”、“保育所を増設しろ”と本音が出てくるものだ。

要は、こうした本音をくすぐってやれば選挙の争点が具体化され、有権者の関心も高まるのだが、肝心の政治家の連中が、財政問題やPB目標などを盾にして財政支出を渋るから、いかなる問題も財源の裏付けを取ることが叶わずに、結局は、“弔い合戦”や“自身の不幸自慢合戦”レベルで終わってしまう。

仕事が欲しい、社会保障を充実させてほしいという国民の率直な願いを叶えるためには、財政支出の増額が避けて通れない。

このまま財政問題を言い訳にして、国民のニーズに背を向け続けると、いずれ投票率は地に堕ち、政党制や選挙制度自体の存続に疑いの目が向けられるようになるだろう。

すでに、筆者は、その双方とも廃止すべきとの意見であり、こんな下らぬ制度が無くなっても一向に構わないが、多くの有権者はそうは思わないだろう。

先人が苦労して獲得した普通選挙制度を無にせぬためにも、諸悪の根源たる「財政問題という迷信」をかなぐり捨てて、有権者にあっては景気回復や雇用改善、社会保障の充実を強く政治家に要求し、政治家にあっては有権者の要望を汲み取り、力強い経済成長と適切な分配を実現させる公約を掲げるよう互いに努力すべきだ。

テストの模範回答が目の前にあるのに、政治家がそれを無視して、自分本位の妄言で回答欄を埋め尽しても喜ぶものは誰もいない。