うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

財政再建なんて後回しでよい

『日本の消費税率、15%まで上げる余地=OECD事務総長』

経済協力開発機構OECD)のアンヘル・グリア事務総長は11日、日本の消費税率について、長期的には15%まで引き上げる余地があるとの見方を示した。その上で、消費税率は徐々に上げていく経路を作ることが重要だと強調した。都内の講演で語った」(4月11日ロイター)

今夏の参院選を睨み、来春に予定されていた消費税率10%への引上げの見送りが囁かれているが、上記のニュースは劣勢気味の増税断行派にとって援護射撃となるだろう。(例によって財務省が仕掛けた外圧の一つなのだろうが…)

件のアンヘル・グリア事務総長は確信的な財政再建論者であり、昨年4月に日本記者クラブで会見した折にも、「抜本的な構造改革の早期実現と共に、消費税率を現行の8%からいずれは20%程度へと段階的に引き上げていくべきだろう。(中略)日本の債務残高はGDP比で226%と、OECD34カ国のなかで最悪な未知のレベルにある。所得税の課税ベースも拡大すべきだ。(中略)同時に、歳出削減も不可欠だ。超高齢化社会においては、医療や介護の分野での自己負担を増やす必要があり、個別診療の報酬を積み上げて医療費を算出する出来高払いなどは、なくすべきだと言える。年金の支給開始年齢を引き上げる対策も必要だ。(後略)」と述べている。

ついでに、日本は労働生産性が低いだの、起業率が低すぎるだのと文句を垂れた挙句に、“女性の労働参加率を高める政策が必要だ”、“外国人労働者の受け入れの拡充なども検討すべきだ”と周回遅れ気味の構造改革教の念仏を唱えて帰って行ったそうだ。

まともな思考力のある人間なら、消費税率の引き上げが民間経済の支出削減を誘発し、マーケットの縮小につながることくらい容易に想像できるはずだ。

マーケットの冷え込みにより、収益機会は縮減し労働生産性は否が応にも低下せざるを得ないし、起業環境も悪化を避けられまい。

グリア氏みたいな財政再建派や構造改革派の間抜けな連中は、起業率を上げろ、労働生産性を上げろと偉そうに強要するのと同じ口で、それに反するような経済環境にミスリードしようというのだからバカの極みとしか言えまい。

グリア氏の消費税率の水準に関する発言自体、たった1年間で20%から15%へとブレているくらいだから、何の根拠もないテキトーな数字を吐いているだけのことだろう。

しかも、ディスカウント後の税率15%という数値に関する具体的な根拠は何も示していない。

日本経済は、消費税率が5%から8%に引き上げられただけであらゆる経済指標が悪化し、特に、消費支出の落ち込みは目を覆うばかりだ。

グリア氏のような狂信者は、こういった状態をまったく考慮せずに、税率をさらに15%や20%にまで上げようというのだから、思い込みの激しい単なるバカなのだろう。

10%への増税可否判断に関しては、安倍政権内部の意見も揺れており、先送りすべきという声と予定通り増税すべしとの声が入り乱れている。

日本経済の惨状を鑑みれば、増税などもってのほかで、減税や消費税そのものの廃止を検討すべき段階なのだが、日本の政財界にはグリア氏のような“緊縮絶対主義の狂信者”がウヨウヨしており、事は簡単ではない。

現政権は、口先では「経済再生なくして財政再建なし」と言いながら、実際には「構造改革なくして財政再建なし」とばかりに、まともな経済政策をそっちのけにして、改革(=改悪)や規制緩和偏重の政策を推し進めており、企業や家計は業績や所得再生の糸口すら掴めずにいる。

こうした苦境に置かれてなお、事態を改善するには生産性向上が欠かせないと主張する世間知らず(特に、頭のおかしい構造改革主義者)も多いが、我が国では20年以上も経済成長から見放されており、労働生産性云々を論じるレベルに達してすらいない。

マクロ経済が成長していないということは、そもそも、生産性の価値を図る大元となる生産額や付加価値額が増えないということであり、我が国の実体経済には、生産性を向上させ得るだけの原資が存在しないということにほかならない。

(だからこそ、各企業がこぞってブラック化し、人員削減や下請けいじめに勤しむことになる)

“日本の労働生産性が低いのは、顧客が望む新たな商品や付加価値の大きいイノベーション性のある商品がないからだ”という蜃気楼を追い続ける限り事態が好転することはない。

世の中に数多存在する商品やサービスの大半(というより99.999%)は、特別なイノベーション性など有していないものばかりだが、一般的な個人が欲するのは、そうした何処にでもあるような凡庸な商品やサービスであり、付加価値の大きな商品とか革新的なサービスがないからお金を使いたくないなんて駄々をこねる変わり者など早々いるものではない。

適切なマクロ経済政策を実行して実体経済に十分な商機や所得機会が溢れ返っておれば、労働生産性など訳もなく上昇させることができ、経済活動を通じた税収も問題なく上がるものだ。そうなれば、グリア氏あたりからくだらぬサゼッションを受けずとも済むだろう。

彼のように、実体経済から企業活動や生活の糧を得ている企業や家計の生き死によりも、国家の財布の方が気になる“賤しい金庫番”の意見など耳を傾ける必要はない。

民間経済に比べれば、国家財政など遥かにどうでもよい存在に過ぎないのだから。