うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

フリーランチ乞食

(佐々木)

そういった課題のある日本の経済ですが、これから動かすため、私たちが持つべき大切な視点って、どんなことでしょう。

(川本)

2つあると思うんです。一つが「フリーランチはない」ということ。何か便益が発生すれば、かならずコストをだれかが負担している、ということです。ただ飯はない、ということ。積極的な財政拡大は、経済のスパイラル的な崩壊を防ぐために必要という面もあるけれど、一方で財政赤字が急速に拡大する。(※下線部は筆者)

これは、イー・ウーマン社長の佐々木かをり氏と早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の川本裕子氏が、同社HP上で行った対談から一部を抜粋したものだ。

この「フリーランチ(タダ飯)はない」という決め台詞は、ハーバード大学のマンキュー教授が自身の教科書で「経済学の10大原理」の冒頭に掲げた言葉だそうで、何かを得るには何かを犠牲にする必要があり、タダに見えることにも隠れたコストがあることを意味するそうで、財政政策を毛嫌いする「緊縮財政派」や「新自由主義者」、「リフレ派」の連中が好んで用いる言葉でもある。

フリーランチ無効論を公言する世間知らずな連中は、政府主導の積極的な経済政策や弱者救済を毛嫌いし、そうした施策は必ず質の悪い副作用を招来するはずだ、と信じて疑わない。

冒頭に紹介した川本氏の論も、“積極的な財政支出の裏には財政赤字拡大という麻薬が潜んでいる”とでも言いたげなようだが、インフレに十二分に対応できるだけの高度な供給能力を有する国家においては、通貨発行権を有する政府の財布の中身などいちいち気にする必要なんてない。

川本氏のような薄っぺらい経済認識しか持っていない新自由主義者は、「財政赤字が心配だ」とさえ叫んでおけば、借金恐怖症に駆られた無知な国民の同調を得られると勘違いしているようだが、そもそも財政赤字の何が問題なのか?

基本的に、政府は集めた税金を懐に入れることなく、公務員の人件費や何らかの事業費、或いは、給付金などとして実体経済に放出することになる。

よって、財政赤字が増える分だけ、実体経済で活動する企業や家計というプレーヤーは、(海外への漏出がないという前提条件付きになるが)より多くのビジネスチャンスや収益機会に恵まれることになる。

これは、民間の経済主体にとっては、まさに慈雨とも言え、新自由主義者の連中が恐れるような厄災でも何でもない。

累積された財政赤字の償還のため巨額の増税が必要だ、という妄想が罷り通るかぎり、新自由主義者が振りまくインチキフリーランチ論が止むことはないだろう。

筆者は、実体経済が過熱し民間の経済主体の懐さえ潤っておれば、政府の財政収支など気に掛からないし、余計な増税の必要などないと考えている。

政府が税率を低く抑え、納税に対する努力を放棄すれば、民間の個々の経済主体が自由に使えるお金の量が自然に増えて経済取引が活発化し、結果としてインフレ気味の経済状態を招きやすくなる

その過程で、多くの民間経済主体は、より多くの収益や所得を獲得するが、その一方で、物価の値上がりというデメリットに対峙せざるを得なくなる。

それこそ正当な自己責任の世界の話であり、民間経済主体が対処&解決すべき問題だ。

問題なのは、誤った経済政策や税制によって民間経済主体が収益や所得を獲得する機会を減らされた挙句に度重なる増税を喰らい、自由に使えるお金を十分に持てずにいることだろう。

フリーランチを貪っているのは、コストや負担を家計や中小企業といった民間経済主体に一方的に押し付け、その上に胡坐をかいている政府や大企業の方だろう。

経済財政諮問会議産業競争力会議のような如何わしい会議を通じた財政再建優先主義の強要によって財政支出を切り詰めさせ、労働規制緩和外国人労働者の流入促進によって人件費を押さえつけて家計所得の向上を阻もうとしている。

また、大企業にあっては、自らは史上空前の利益を計上しながら、消費税増税分の下請けへの負担つけ回し、大量発注を前提として決定した単価での少量発注への適用、納入価格の値下げの強要など、下請けいじめに余念がないありさまだ。

こういう連中こそ、自分たちがフリーランチを貪っていることに気付かずに、他社の犠牲の上にのうのうと胡坐をかく“フリーライダー”や“フリーランチ乞食”だと糾弾されるべきだろう。