うずらのブログ

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日本人の生活向上が最優先

3月30日に政府の「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」から、観光先進国化に向けた構想が発表された。

公表された資料では、「安倍内閣の発足から3年。戦略的なビザ緩和、免税制度の拡充、出入国管理体制の充実、航空ネットワークの拡大など、大胆な「改革」に取り組み続けてきた。

この間、訪日外国人旅行者数は2倍以上の約2000万人に達し、その消費額も3倍以上となり、自動車部品産業の輸出総額に匹敵する約3.5兆円に達した」と、自画自賛気味に改革の成果を強調している。

だが、近年の急激な訪日客の増加は、ビザの緩和云々以前に、諸外国の所得向上、為替変動による円安効果、政情不安・テロの頻発による欧州等からの観光客の流出などによるものだろう。

しかも、地声の大きな中韓台の3か国で訪日客全体の6割近くを占めており、喧しくて仕方がないし、未だに日本を敵国扱いする中韓相手にビザを緩和する必要性を全く感じない。

むしろ、如何わしい両国に対しては、捏造された歴史認識を改める旨の誓約書にサインさせたうえで入国を認めるくらいの厳しい処置(=踏み絵)が必要である。

今回の「明日の日本を支える観光ビジョン」では、観光先進国への目標値として、

・訪日外国人旅行者数 2020年:4000万人 2030年:6000万人

・訪日外国人旅行消費額 2020年:8兆円 2030年:15兆円

・地方部(三大都市圏以外)での外国人延べ宿泊者数 2020年:7000万人泊 2030年:1億3000万人泊

・外国人リピーター数 2020年:2400万人 2030年:3600万人

等々、訪日外国人対策に関する強気な数値が目白押しだ。

一方、日本人の国内旅行に関しては、

・日本人国内旅行消費額 2020年:21兆円 2030年:22兆円

と、極めて控えめな目標となっている。

訪日客の旅行消費額を、現状の3.4兆円から2030年には15兆円と4.4倍に急増させる(年平均22%UP)一方で、日本人のそれは、現状の18.5兆円から22兆円と、たったの19%程度の伸びしか見込んでおらず、年率換算で僅か1.3%と、まことにみすぼらしい。

資料の中身も、往日外国人対策が99%を占めており、日本人国内旅行消費額UP対策の項には、国民の有給消化率向上がちょっとだけ触れられている程度に過ぎない。

観光白書のデータによると、2013年度における国民1人当たりの国内宿泊観光旅行回数は1.43回、同宿泊数は2.35泊と推計され、2006年度の実績(旅行回数は1.71回、同宿泊数は2.74泊)すら下回るありさまだ。

この間、暇を持て余している高齢者人口は600万人以上増えているのだから、本来なら、旅行回数・宿泊数ともに増加していて然るべきだろう。

異様なほどワーカホリックな日本人の有給消化率を向上させるのは良い。

だが、休暇を増やすだけではまったく不十分で、余暇を満喫できるだけの所得増加とセットでなければ意味がない。

旅行にも行けずに、家でゴロゴロするだけに終わってしまう。

外国人へのおもてなしに精を出してこき使われるよりも、日ごろから過剰な労働とストレスに晒され続けている日本人にこそ、余暇を謳歌する機会を与えるべきだ。

先に紹介した2030年の旅行消費額の目標数値は、日本人と訪日外国人の分を合わせて37兆円と、現状の22兆円余りと比較して15兆円の伸長を見込んでいるが、その内の11.5兆円を訪日外国人分として当て込んでいる。

これは相当にチャレンジ度の高い数値目標であり、中韓台頼みでは、とうてい達成不可能な数字だ。

そんな夢のような目標を追うよりも、母集団が格段に多く、既に19兆円近くに達している日本人の旅行消費額を伸ばそうとする方が、より現実的だ。

2014年の国内旅行消費額(日本人)は18.5兆円と、2001年の19.2兆円すら下回っており、国民所得の適切な向上さえ見込めれば、成長の余地はかなり大きいだろう。

ところが、「明日の日本を支える観光ビジョン」では、所得向上の側面から日本人国内旅行客の増加を図ろうとする提言は一切なく、それどころか、「若者のアウトバウンド活性化」を進言し、“若者層の海外旅行を更に促進”すべし、と真逆の方向に突き進もうとしている。

このほかにも、民泊の推進や歴史的価値の高い公的建造物の開放、文化財の多言語解説、地域の農林水産物・食品の輸出促進、免税店の増設、ビザの更なる緩和、ビジネスジェットの受入れ促進などといった規制緩和色の強い提言が目立つ。

要するに、彼らが本当にやりたいのは、訪日外国人客の取り込みにかこつけた規制緩和ごっこや市場開放ごっこであり、インバウンド強化というお題目はその呼び水でしかない。

彼らにとってどうでもよい日本人旅行客の増加策に、端からまったく力が入っていないのも道理である

肝心の日本人が旅行にも行けずに休みなく働かされ、観光地に溢れる外国人の世話ばかりさせられては堪らない。

これでは、外国人からのチップ頼みの下僕化が進行するばかりで、日本人のQuality of Lifeは低下の一途を辿るだろう。

「何よりも国民の生活向上が最優先」という原理原則を逸脱した政策に魂が宿ることはない。