うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

成長放棄主義こそ最大のつけ回し

内閣府が3月8日に発表した2015年10~12月期の実質GDP改定値は、個人消費や輸出が冴えず、速報値より上方修正されたとはいえ、前期比年率1.1%減少となった。

1~3月期の鉱工業生産の予測指数は前期比0.3%低下し、中国向けの電子部品・デバイスも新型スマートフォン販売不振により2~3月とも減産の見込みと海外市場の様子も思わしくない。

こうした景気減速(そもそも“加速”していた気がしないが…)に加えて、今夏の国政選挙を睨み、来春の予定している消費税率10%への引上げ見直し論が囁かれており、政権側も、やや含みを持たせながらも、増税見送り論の火消しを余儀なくされている。

8日には麻生財務相が「プラス、マイナスいろいろ考えて政治的に判断する」、「(少子高齢化に対応するための)『社会福祉目的税』との位置づけで消費税の増税は決めている」、「消費増税を見送れば、将来世代に赤字国債という形でつけが回る」と発言している。(3/8ロイター記事より)

また、9日には安倍首相から「世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するためのものであり、リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施する」、「来年度予算の早期成立こそが最大の景気対策であり、現時点で新たな経済対策や補正予算の編成は考えていない」、「世界経済の大幅な収縮が実際に起こっているかどうかは、専門的見地から行われる分析も踏まえ、その時の政治判断において決められる」との発言があった。(3/9NHKニュースより)

両者とも、グダグダ言い訳するばかりで増税カードを手放そうとしない。

社会福祉財源・将来世代へのつけ回し・リーマンショック」という国民受けのよい言葉を免罪符に使って、ギリギリまで増税延期の言質を与えまいと必死のようだ。

しかし、彼らの経済認識は甘すぎる。

質の悪い言い訳を並べて、適切な経済政策から愚図愚図と逃げ回る様には、民主党時代に連発された『事態を注視したい発言』並みの情けなさを感じる。

安倍氏は、“リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り”なんて言っているが、先の大震災後に、当時の谷垣総裁が“復興増税をすべき”というまことにバカげた発言をしたことを、もう忘れたのか?

また、ことあるごとに“リーマンショック”を持ち出すのも、いい加減に止めてもらいたい。

政財界の連中は、何かとリーマンショックという言葉を引用して、さも、それまで順調に復活を遂げてきた日本経済が、リーマンショックという外的な特殊要因により破壊された、と言い訳をしたがる。

(リフレ派の連中が、“消費税増税さえなければ、金融緩和万能論で上手く行っていたはずだ”とギャーギャー騒ぐのと同じ構図)

確かに、日本の名目GDPは、2006年〜2009年にかけて506兆円→512兆円→501兆円→471兆円と山型に推移し、リーマンショックが起こった2008年が分岐点であったことが解かる。

しかし、世界中が大騒ぎしたリーマンショックといえども、所詮はアメリカ国内で起こった信用収縮による金融不安や消費の落ち込みに過ぎず、内需大国たる我が国が、適切な財政金融政策を実行し、きちんと内需振興策を講じておれば、本来なら軽傷で済んだはずだ。

事実、主犯のアメリカをはじめ、ヨーロッパやアジア各国は、リーマンショックによる外需縮小の波を軽々と超え、順調に経済成長を続けており、大怪我を負ったと被害者ヅラしているのは我が国くらいだ。

いつまでもリーマンショックの呪縛に囚われた悲劇のヒロインを気取るのは止めてもらいたい。

日本経済が躓いたのはリーマンショックのせいではなく、橋本政権や小泉バカ政権以降、連綿と続けてきた緊縮政策・構造改革規制緩和の“猛毒3本の矢”を撃ち込まれたせいだろう。

緊縮政策によりビジネスチャンスが激減し、実体経済を循環する(≠退蔵される)貨幣量も減る。

また、構造改革規制緩和という毒素のせいで、元々強い力を持つ経済主体がより強力となり、中小零細企業や家計が得るべき収益を吸い上げるため、市場の格差が拡大する。

こうした経済の循環機能の破壊により、我が国の経済基盤は極めて歪な形となり、総体的な体力が著しく低下したのだ。

毒矢を打たれ続けて体力が弱ったところに、たまたま、リーマンショックという寒気が襲来し、さらに症状が悪化した、というべきで、毒矢さえ喰らっていなければ、多少の寒気くらい、十分に耐え凌げたはずだ。

麻生財務相の“将来世代へのつけ回し発言”にも呆れ返る。

不況下で増税を強行して、家計や企業から消費や投資に使えるはずの資金を奪ってしまうと、更なる消費や投資の落ち込みを招くだけだ。

いくら経済に疎い麻生氏でも、そのくらいは理解できるだろう。

“将来世代”なんてきれいごとを並べているが、将来世代以前に、現役世代が先に衰弱してしまえば、そこから経済基盤や資産を受け継ぐ将来世代の生活基盤が崩壊し、それこそ、莫大な負の遺産をつけ回すことになる。

筆者は、いまから二十数年以上も前の就職環境の非常に良い時代に社会人となり、職場教育や雇用条件なども恵まれた状態でスタートできたが、こうした恩恵に与ることができたのも、それ以前の世代の方々が強力な経済基盤や社会基盤を引き継いでくれたおかげだと感謝している。

それだけに、就職時期がたまたまデフレ不況期に重なった就職氷河期組が直面した不幸に大変心を痛めている。

時の政府が、緊縮財政や構造改革のような余計な施策に手を染めずに、適切な経済政策を採っておれば、こうした“次世代へのつけ回し”も十分に防げたはずで、経済成長の重要さを痛感させられる。

安倍首相も麻生大臣も、寝惚けた頭を叩き直してまともな経済政策(大規模かつ長期的な財政金融政策)に邁進すべし、と言いたいところだが、構造改革教の教義にどっぷりと染まり切った両者に、いまさら何を言っても無駄だろう。

役立たずの穀潰しに国政を任せるわけにはいくまい。

経済を読めぬ両者は早々に退陣すべきだ。