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うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

評価できるのは結果だけ

週末に新聞各社が行った世論調査で安倍政権の支持率が急落した。

毎日新聞:支持35%(▼7P,不支持51%(△8P

共同通信37.7%(▼9.7P,不支持51.6%(△8.6P

時事通信40.1%(▼5.7P,不支持39.5%(不明)


この結果は、言うまでもなく、安保関連法案と東京オリンピック開催に向けた新国立競技場の工事費高騰問題に端を発するマスコミ各社から総攻撃によるもので、
不支持が支持を大きく上回る結果となっているものもあり、つい最近まで盤石に見えた政権基盤に綻びが生じつつある。
 

支持・不支持が拮抗している時事通信の調査でさえ、“安保法案に関し、安倍政権が「十分説明している」と答えた人が12.8%なのに対し、「説明は不十分」は73.7%に上った。また、法案が「合憲」との回答は19.8%にとどまり、「違憲」は53.8%と過半数に達した”と報じている。

また、集団的自衛権の法制化を目指す安保関連法案に対して、「説明が不十分」という回答が
7割以上にもなっており、国民(あくまで世論調査の対象になった幸運な人たち)が強い拒否反応を起こしていることが判る。

ここらでタイミングよく重要閣僚のスキャンダルでも噴出すれば、政権が吹っ飛びかねないほどの緊迫感が漂ってきた。

  

筆者自身、この分野にたいした知見も持ち合わせておらず、偉そうに論説する資格はないが、一部の急進的な左翼っぽい連中(こういう人種が未だに生き残っているのが奇跡としか思えないが…)による「安保関連法案は戦争法案だ」とか「徴兵制につながる」といった絶叫は、取るに足らぬほどバカバカしい妄言だと思う。

ついでに、街頭インタビューされた老人や女性が、他人事みたいに、「若い人たち(男性)が徴兵される」と平然と答えているのにも強い違和感を覚えている。

なにせ、現代はジェンダーフリーの社会であり、いまや鉄砲を担いで参戦するだけが兵士たる者の仕事じゃないのだから、“徴兵=若い男性だけに課せられる義務”と決めつける身勝手な発想は、さっさと捨ててもらいたいものだ。

 

一方で、法案の内容が、あたかも、自衛隊がアメリカの小間使いよろしく、米軍マターの軍事戦略に付き従うだけのようなイメージで拡散されたことは、まさに政府や与党の説明不足、あるいは、故意に説明の本質から話を逸らしたことによるもの、と指摘されても仕方がないだろう。

 

政府や与党は、この法案を議論するに当たり、ホルムズ海峡や石油輸送ルートが寸断されかねないという懸念や危機感を盾に押し通そうとしていたが、これは完全に不発に終わった。

 

政府としては、ISによるテロや不安定な中東問題を梃にホルムズ海峡の危険性を訴える作戦だったのだろうが、当の国民は、年がら年中、戦火やテロの絶えない中東の状況に対する感度が低下している。

 

ホルムズ海峡を巡っては、中東地域の紛争やイランとアメリカ対立、海賊の頻発といった極めて危険な状況をかいくぐりながらも、これまで、日本の石油輸送ルートが重大な危険に晒されることはなく、謂わば、ホルムズ海峡の危機は“オオカミ少年状態”にあると言ってよく、国民も“ホルムズ海峡は何時も危ないって言われているけど、結局、何も起こらないじゃないか”と慢心し切っている。

 

国民の多くは、中東の危機なんて所詮は遠い国出来事だと割り切っており、いくらそこを突いても、安保関連法案に対するシンパシーを高めるには力不足だろう。

 

政府や与党は、今回の安保関連法案の核心が、中国の軍事的侵攻に対する重大な懸念にあることを、はっきり明言すべきだった。

遥か彼方のホルムズ海峡よりも、日本の目と鼻の先にある東シナ海南シナ海における中国の無法な領土拡張行為を問題にした方が、国民に対して、中国の暴走による差し迫った軍事的な緊張感や切迫感をより具体的にイメージさせることができた筈だ。

 

無論、国内には先の大戦における日本加害者説や親中派が多数蔓延り、大都市だけでなく地方の観光地の消費が来日中国人の爆買いに支えられている現状を鑑みれば、正面から中国を仮想敵国視する政策は、間違いなくマスコミ各社の反発を呼び、政治的リスクも相当に高まるだろう。

 

だが、いやしくも、戦後最強の保守政治家を自任する安倍首相なら、この程度の議論から逃げ回ってはなるまい。

 

先週、とあるTV番組が今回の安保関連法案に対するアジア太平洋諸国の反応を公表したが、幸いなことに、北米や中南米だけでなく、ASEAN諸国やオセアニア、モンゴルなど12カ国から支持が表明されているのに対して、不快な反応を示したのは例の2カ国(中韓)だけだった。

 

政府や与党が大好きなTPP加盟国の大半が賛意を表明しているのだから、頭のおかしな中韓の反発など気に留める必要などない筈だ。

なにせ、安倍政権は、TPPに関する事前の国会決議を全て無視して、国益を損ねる自爆交渉を強行しているくらいだから、これほど心強い援軍はないだろう。

 

いまこそ生意気な中韓二国をギャフンと言わせ、真の保守政治家として男を上げる格好の機会だと思うが、所詮は“口先保守”に過ぎない安倍首相や自民党の諸先生方は、ギャーギャーと煩い中韓の連中と事を構えるような胆力を持ち合わせていないようで、最後まで中国問題をおくびにも出さぬまま法案を衆議院で可決してしまった。

 

今回、結果として政権支持率が急落し、与党の支持率も下落したことは、個人的にはとても喜ばしいことなのだが、これが経済問題に起因するものでないのが非常に残念だ。

 

本来なら、消費税増税TPP、緊縮財政の断行を決めた骨太の方針等といった真の愚策に対してこそ、国民やマスコミは強い反意を示すべきだろう。
そうしておれば、安倍政権などとっくの昔にぶっ倒されており、そもそも安保関連法案の審議自体が行われることもなかっただろう。


国民は、起こりもしない戦争への懸念に猛烈な怒りをぶつけるエネルギーがあるのなら、現に生活を破壊している経済問題にこそ、その数倍もの怒りをぶつけるべきだ。
この点は、EUの緊縮押しつけ策に明確なNOを突き返したギリシャ国民の気概や迫力には到底及ぶべくもない。

我々は霞を食って生きている訳じゃないから、空想の世界の戦争や頭の悪い反原発活動に貴重な時間を割いている余裕なんてなく、目の前にある生活の向上や飯のタネの確保にこそ、もっと強い関心やエネルギーを注ぐべきだろう。


共産党に先導された安保法制反対デモで、「命を守りたい」とかいった気恥ずかしいプラカードを掲げて粋がる若者の姿を見るにつけ、命が云々と大上段に構える以前に、貧困化の危機に晒された自分の生活を守る方が先だろうと情けない思いがしたものだ。



一連の騒動を通じて、政権の勢いにブレーキが掛かったことは良しとすべきだが、肝心の経済問題をほったらかしにして、この先も安保関連法制や反原発問題にしか怒りの声を上げることができないようでは、まさに、日本国民は”平和ボケや不況ボケ”しているとしか言いようがない。