うずらのブログ

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若者の姿は明日の日本の姿そのもの

韓国の若者世代は、我が国以上の苦境に直面しているという話をよく聞くが、それを裏付けるようなニュースが報じられた。

『韓国で新たに生まれる「7放世代」とは?=韓国ネット「愛国心を追加して『8放』に」「あきらめずに戦おう」』

“2015年5月5日、韓国・朝鮮Bizはこのほど、韓国で若年失業が深刻化していると伝えた。若者の間では恋愛、結婚、出産をあきらめた「3放世代」を超え、マイホーム、人間関係をあきらめた「5放世代」、さらには夢、希望まであきらめた「7放世代」という言葉まで出てきている。

就職ポータルサイト・ジョブコリアの調査結果によると、20~30代の498人を対象に「7放世代」に関するアンケート調査を行った結果、回答者の85.9%が「7つのいずれかをあきらめる」と答えた。「あきらめない」と答えた回答者は14.1%だった。

20~30代があきらめることを考えたことがある項目(複数回答)としては、結婚が38.6%で1位。以下、出産(33.2%)、マイホーム(28.7%)、夢(26.2%)、希望のキャリア(21.5%)、恋愛(16.1%)、人間関係(15.4%)、趣味(14.7%)、旅行( 14.0%)の順となった。

男性の場合は、結婚(46.3%)が圧倒的に多く、夢(28.0%)、マイホーム(25.6%)、出産(21.9%)、恋愛(18.9%)の順。女性は出産が40%となり、結婚(33.7%)、マイホーム(30.68%)、夢(25.0%)、希望の職業(23.8%)が続いた“(Record China 5月7日(木)5時38分配信http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150507-00000007-rcdc-cn

この報道を受けて、韓国のネットユーザーから、「子どもをつくりたければ、移民するしかないな」、「8放にしないといけない。『愛国心』を追加してね」という自嘲気味のコメントもあったそうで、自分たちの親世代が当然のように享受してきたささやかな夢やイベントすら諦めざるを得ない空しさが伝わってくる。

韓国は、日本を遥かに凌ぐ学歴社会(大学進学率は90%にもなる)でありながら、実質的な若者の失業率は20%を超えると云われるほど深刻な就職難(失業者の三分の一は若者世代)に苛まれ、挙句の果てに面倒な徴兵制まで課されるとあっては、このニュースのように、若者があらゆるものを諦めてしまう気持ちになるのも無理からぬことか。

まともな収入を得ることができるパイ自体が極めて少ないため、いくら努力したくても、その機会さえ容易には掴めず、運よく就職できたとしても、努力の成果がストレートに報われるような社会構造になっていない。(不正やコネ社会の横行、行き過ぎた成果主事による不毛な足の引っ張り合い)

彼らは、自国の将来性に対する期待値が極めて低く、韓国国民の7割以上が国外への移住を希望していると言われている。

韓国人の多くは、もはや努力することに賭け、それによって事態が打開されることに期待する気にすらなれないようで、努力することを放棄し、そこから逃避し始めようとしている。

だが、若者が置かれた不遇な状況は、我が国も変わりはない。

内閣府が行った「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(満13 歳から満29 歳までの男女/1000サンプル)」を参照すると、日本の若者は、韓国以上に現状に不安を抱いていることが読み取れる。

以下、いくつかの調査結果を挙げて比較してみよう。

【調査項目、「不安」、「どちらかといえば不安」の合計割合、日本(左)/韓国(右)】

・「そもそも就職できるのか・仕事を続けられるのか」日74.6%/韓63.1%

・「働く先での人間関係がうまくいくか」日74.8%/韓58.9%

・「働く先の将来はどうか」日68.3%/韓51.7%

・「十分な収入が得られるか」日78.0%/韓72.2%

・「リストラされないか」日64.6%/韓54.7%

・「老後の年金はどうなるか」日77.6%/韓62.3%

・「社会の景気動向はどうか」日73.5%/韓59.1%

このように、就職や就業、収入、経済環境などに関する質問に対して、日本の若者の回答は、韓国の若者と比べて総じて悲観的だ。

夢も希望もすべて放棄したかのような韓国の若者よりも、さらに一段上のレベルで現状に悲観せざるを得ない日本の若者の将来が危ぶまれる。

厚労省のデータ(労働力調査)によると、平成元年に817万人だった非正規雇用従事者数は、平成26年には1,962万人と2.4倍にまで膨れ上がり、労働者全体に占める割合も19.1%から37.4%に急増している。

そして、この間の雇用の質の悪化の煽りをもろに被ったのが若年層の人々で、15~34歳の非正規雇用者数は、平成元年の268万人から平成26年には634万人と大きく膨らんでいる。

この間、出生数は、ほぼ一貫して少子化のトレンドを辿っているのに、非正規雇用者数が2.3倍以上に膨らんだということは、その分だけまともな収入が得られる雇用の間口が狭められているということだ。

少子化によりライバルの数が減り、ムダめし喰らいの団塊世代の退職も重なるため、本来なら、若者の雇用状況は劇的に改善され、バブル時代をも凌ぐお気楽な就職状況であってしかるべきなのだが、現実はまったく逆なのだ。

近年、就職市場は売り手市場だとか、バブル時代以上の就職率だと騒ぐ連中もいるが、みずほ総研のデータによると、初職が非正規社員だった人の割合は、バブル期(S62~H4)の8%から平成24年には35%にまで増加しており、それが単なるホラ話であることが判る。

リフレ派みたいに、非正規であっても失業よりマシと、ひたすら現状追認するだけのバカな連中もいるが、このご時世に一旦非正規雇用に嵌ってしまえば、そこから抜け出すのがどれほど大変なことなのか解かっているのか。

運よく正規雇用に昇格できたとしても、非正規雇用期間中の経験は、たいていの場合、まともな就業スキルとしてはカウントされず、その分キャリアにロスが生じ、同世代の正規入社組とは、社内の評価や収入において埋めがたい差が生れてしまうのが現実だ。

だが、意外なことに、先に紹介した内閣府の若者の意識調査では、「自国のために役に立つようなことがしたい」という項目で、日本の若者が「YES」と回答した割合は54.5%と調査した7か国(日本、韓国、米、英、独、仏、スウェーデン)の中で最も高かった。

これだけ時代に裏切られ続け、社会にコケにされながらも、我が国の若者は自国や社会の役に立ちたいと強く願っている。

そもそも、多くの日本国民は、この健気な若者の善意に甘え過ぎなのだ。

社会的立場の弱い若者をつかまえて、今の若者は辛抱が足りない、職を選り好みし過ぎだ、せっかく就職してもすぐに辞めてしまうなどと、ダラダラした社会生活に浸かりきった自分のことを棚に上げて若者批判に余念がない。

口先だけの評論家世代には早々にお引き取り願いたいところだが、シニア層の活用とか、シニアセカンドキャリアとか、行政サイドがシニア層を甘やかして余計な機会を与えるせいで、不良債権世代の一掃作業がなかなか進まない、

若者の姿は国の明日の姿そのものである。それは、日本も韓国も変わりはない。

彼らが息苦しいと感じる社会環境の中から、果たして、国全体を引っ張って行こうとする前向きな気概や発想が生れるだろうか。

この惨状から目を背け続けることは、国の衰退にコミットするのと同じことだ。