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うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

増税圧力を跳ね返すには国民の強い自覚が必要

先月下旬あたりから、急遽、衆院解散説が沸き起こり、当初は選挙好きのマスコミによる単なる焚き付けだろうと高を括っていた。


しかし、12月2日公示~14日投開票という具体的な日程もほぼ決まり、自民党幹部も選挙に向けた公約づくりや候補者選びに着手しており、もはや衆院解散→総選挙という流れは確定事項のようだ。

安倍首相は、消費税率10%への再増税先送りの是非を解散の大義にすると報じられ、多くの国民が首を傾げている。(そして、増税先送りの判断をした時点で筆者のこれまでの予想は大ハズレとなる)
大方の予想通り増税決行の是非を問うというのなら理解できるが、いまや国民の7割以上が増税に否定的な情勢下で、敢えて解散総選挙をする意味があるとは思えないからだ。

国民の大半が賛意を示す政策判断(しかも、常識的に見ても当然の判断)を下すのに、わざわざ民意を問う必要性はないだろう。
実際に、自民党岐阜県連が、安倍首相が衆院解散総選挙に踏み切ることに反対する決議をするなど、身内からの反発も強い。


一部には、三党合意の破棄につながる増税先送りを断行するには選挙での信認が必要との声もある。
だが、そもそも、国民の声を無視して勝手に決めた三党合意など、単なる政治家同士の“内輪のお約束”に過ぎず、そんなものを破棄するのにわざわざ国民に信を問う必要はない。
合意内容が現状の経済状況に即していないのなら、現状にマッチするように変更すればよいだけだ。
三党合意の破棄と選挙をリンクさせるのは、自分たちの愚かな行為を糊塗して、それに箔付けするようなもので、到底認められるものではない。


また、バカマスコミの連中は、集団的自衛権原発再稼働、TPPなど難題を抱える中で、民意を問い勝利を手にすることで党勢や党内基盤を強化する狙いがあると報じている。
だが、現有で290以上も議席を有しながら解決できない問題を、再選挙して恐らく多少の議席を減らした状態で解決できるというのだろうか。

今回の解散を称して、高村副総裁が、アベノミクスでデフレ脱却を目指す道でいいのかを再確認する「念のため解散」だと口を滑らせ党内外から非難されているが、それだけ党内も混乱しているのだろう。


前回の政権復帰から2年余りしか経っておらず、対抗馬となるべき野党の連中は分裂を繰り返すばかりで選挙の準備も整っていない。
こういった情勢を踏まえてか、自民党幹部の中には野党に不意打ちを喰らわすチャンスとばかりに、勝利に強い自信を示す者もいる。
だが、自民党の議員、特に、前回復帰当選した議員や新人議員の懐事情は大丈夫なのか、と要らぬ心配もしたくなる。
現閣僚の政治とカネの問題が取りざたされるのも、各人の収支状況が相当厳しいからであり、十分な利権にありつける前にまた選挙かと、内心穏やかならぬ議員も多いのではないか。


それにしても、大半が増税賛成派の自民党議員の連中は、どの面下げて増税先送り選挙を闘うのか、と訝しんでいたが、政府が消費税増税の景気条項削除を検討しているとの報道もある。
巷間囁かれているように、あくまで増税時期を1年半先送りするだけに止め、その後は景気状態に関わらず増税を決行するという条件で、党内の増税派を妥協させるというつもりだろう。


こんな子供騙しの詭弁に引っかかるバカがいるのかと呆れていたが、ネットニュースを見ると、そのバカがウヨウヨいることに気付かされる。


例えば、朝日新聞の景気アンケートでは、国内大手100社の経営者に消費税率を10%に引き上げるのに望ましい時期を尋ねたところ、60社が「法律どおり来年10月に引き上げるべきだ」と回答し、引き上げるべきではないとの回答はたったの1社しかなかった。

引上げの理由を問うと、43社が「財政再建」、9社が「社会保障費などの確保」を選んだそうで、おまけに、「10年、20年の計でやるべきだ。今しなければ消費増税はさらに難しくなる」、「景気動向に左右される問題ではない」、「日本経済には10%への増税を乗り越える力がある。延期は『当面、景気は悪い』というメッセージになる」という頓珍漢なコメントもくっついている。


一介の経営者風情が、財政再建とか社会保障の問題にまで口出しするなどおこがましい限りだ。
マクロ経済のイロハも理解できない輩が、一国の経済政策にコメントするなど100年早い。
どうせ、経営と経済との区別もつかず、コップの中のミクロの池で泳ぎ回ることしかできないのだから、大人しく下請けや従業員に正当な代金や賃金を支払っておればよい。


このバカ者どもは、“日本経済には10%への増税を乗り越える力がある”と妄想を膨らませているようだが、世に出回る経済指標を確認するまでもなく、自分たちが雇っている社員にちょっと尋ねてみれば、いまの日本にそんな力が残っていないことなどすぐに解る。
増税を跳ね返すくらい実質賃金が上がっているなら、世のサラリーマンが昼飯を300円で済まそうとする訳がない。
10%どころか、8%すら乗り越えられないからこそ家計の実質消費支出が何か月も連続で減少しているのだが、「消費税増税は国是」と頑なに信じ込む狂信者は、そうした事実から目を背けようとする。


いまでこそ、多くの国民が10%への増税に反意を示しているが、バカマスコミは絶えず、「増税先送りは国債の信認低下を招く」だの「増税しないと社会保障費を手当てできない」だのと大嘘をばら撒き続けており、それを信じ込む者も多い。


今回の意味不明な解散騒ぎを経て、増税の弊害が真剣に討議されればよいが、恐らくそうはなるまい。
自分たちの生活向上よりも、無駄の削減とか身を切る改革の方に興味が行きがちな国民ゆえ、国の借金問題や社会保障財源の捻出という切り札を切られると、最後は押し黙ってしまうに違いない。


レベルの低い政治家に淡い期待を抱いても始まらない。 何よりも、国民自身が自らの勉強不足を恥じ、常識的かつ理性的に判断する努力を続けるべきだ。

そうした努力を放棄してしまえば、政治家連中の改革ごっこやくだらぬ政争に巻き込まれ、一生不安定な生活を押し付けられることになるだろう。

(※)今週から「進撃の庶民」(http://ameblo.jp/shingekinosyomin/)というブログで、隔週日曜日にコラムを書くことになりました。こちらも併せてご愛読ください。
よろしくお願いいたします。