うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

身を切る改革が経済を蝕む

6日に開かれた衆議院予算委員会で、「維新の党の松野国会議員団会長は(安倍首相に対して)“消費税の引き上げの前に、やはり、われわれはまず、身を切る改革というのが必要なのではないでしょうか。国会議員定数の大幅の削減を約束されたのではないでしょうか”とただした。」(FNNより)

 

「“経営努力はどうなっているのですか”6月中旬、経済産業省幹部は、再値上げ申請の相談に訪れた北海道電力の担当者に追加的な経営合理化策を示すように迫った。景気への影響を懸念する経産省にとって、合理化策の積み増しで値上げ幅を圧縮するのは当然のこと。だが、北電担当者は明確に答えることなく退去し、経産省幹部は“宿題に全く手をつけていないのに、申請したいなんて何なんだ”とあきれ顔で語った。」(北海道新聞記事より)

 

消費税再増税原発停止の影響による電力料金値上げ騒ぎを契機に、またもや『身を切る改革の嵐』が吹き荒れようとしている。

 

「身を切る改革」とは、言うまでもなく、給与や経費の削減・待遇の切り下げなどを指すのだが、日本人は、市井の人々から国会議員まで(上から下まで)、この身を切る改革が大好きで、都合の悪い政策を押し付けられると、反射的にこのセリフを吐く者が多い。

 

まさに、バカのひとつ覚えのようなもので、「消費税率引き上げに国民の理解を得るために、国会自らが身を切る改革を…」とか、「各電力会社も、電気料金値上げの前に身を切る改革を、民間企業ならそれが普通だ(電力会社は民間企業なのだが…???)」といった具合に、頭の悪い連中(ほとんどがバカマスコミとそれに釣られる暇人)が、身を切る改革の大合唱を始める。

だが、それも一時のことで、一旦、増税が断行されてしまえば、文句を言う者はグッと少なくなる。

 

頭の悪い連中にとって重要なのは、増税とか電力料金引き上げを阻止することではない。それを口実に、政治家や官僚、電力会社などといった気に喰わない連中に身を切らすことこそが大切なのだ。

身を切る改革とやらを政治家に求めるのは、増税を阻止するための牽制球ではない。

むしろ、くだらぬ改革ごっこを強要することこそが本丸なのだ。

身を切る改革という言葉が口をついて出てくる時点で、内心では増税GOサインを出しているようなもので、自分が満足できるコストカットの実行という付帯条件さえクリアされれば、あとは好きにしてください、といったところだろう。

 

元々、増税阻止よりも歳出の縮減や削減に快感を覚えるような変わり者は、身を切る改革を求める声に政治家が屈して(というより、構造改革教に染まった筋の悪い政治家は、これ幸いとばかりに、喜々として)、歳費の削減や公務員給与の削減、無駄な歳出のカットに取り組む姿勢を見せると、パタリと批判を止めてしまうものだ。

 

彼らにとっては、政官業に身を切らしたという事実や実績こそが大切だから、政府が要求を呑んでコストカットをしさえすれば、どんな悪政や苛政であってもそれを免罪符にしてしまう。

中東あたりの卑しいテロリストと同じで、口先では大義だ正義だと叫びながら、いざ身代金さえ手に入れてしまえば、後はそそくさとトンズラするのみだ。

 

改革バカどもが、なぜ、身を切る改革の押し付けに奔走し狂騒するのかは、筆者には到底理解できない。

改革がもたらすコストカットは、巡り巡って、自らの収入減や待遇の切り下げをもたらすはずだが、なにせ世の中の仕組みを理解できない短視眼な連中ゆえ、その行動や思考回路は常識では推し量れない。(端的に言えば、単純な損得勘定もできないバカだということだ)

 

彼らは、ときに愛国者を装うこともある。財政危機の淵にある国家財政を救うには、身を切る改革は避けて通れないと強弁する。

 

だが、歳費や公務員給与の引下げや財政支出の削減は、実体経済や地方経済への血流を止める行為に等しく、景気の停滞やスタグフレーションを招来するだろう。

また、まず隗より始めよとばかりに、くだらぬ行政改革構造改革騒ぎに狂騒すれば、それが民間にも伝播し民需を大きく後退させる。

同様に、増税や電気料金の値上げの断行も日本経済の足を強く引っ張ることは自明のことだ。

そして、こうした悪手の影響を最も大きく受けるのは、決まって国民や国内産業なのだ。

 

増税か、身を切る改革か」という罰ゲームしかない二者択一を政治家に迫るのは、完全なる思考停止である。

選択肢として相応しい政治や政策オプションは、他にいくらでもあるのだから、国民はバカマスコミの戯言を鵜呑みにせず、常識を踏まえて、少しは自分の頭を使って考える努力をすべきだ。

(※)拙ブログをご覧いただいた皆様、コメントいただいた皆様、いつもありがとうございます。

コメントを拝見すると、やはり、三橋貴明さんのブログ経由でお越しいただいた方が多いようですね。

とてもありがたいことです。

毎日、鋭い視点から問題提起してクオリティーの高い記事を投稿しておられる三橋さんには到底及びませんが、今後ともよろしくお願いいたします。

また、いただいたコメントが、ブログを書いた本人以上に記事の内容をよく把握しておられて驚いています。