うずらのブログ

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『是々非々』とは肯定を前提とする言葉

『是々非々』(一定の立場に囚われず,よいことをよいとして賛成し,悪いことは悪いとして反対すること)[大辞林

 

もともと安倍政権に極端な嫌悪感を抱く左翼っぽい層はさておき、政権が繰り出す第の矢が猖獗を極めるにつけて、従来から政権を支持してきた保守層も分裂しつつある。

ある者は、“この難局を乗り切れるのは安倍しかいない、他に代わりがいるのか”と安倍政権との心中も辞さないほどの忠誠心を示す。

一方で、“安倍政権は民主党政権以上の売国奴、高い支持率を維持している分だけ民主党より始末に負えない”とあからさまに政権を見限ろうとする勢力もある。

 

筆者は後者の部類に属するが、実態としては少数だろう。

集団的自衛権の行使容認の強行によりバカマスコミに叩かれたせいで、支持率を多少下げつつある安倍政権だが、初期に放った第一の矢と第二の矢の残照による経済危機への歯止め効果により、いまだにその経済政策を評価する層が多いのは事実だ。

また、靖国神社への参拝や従軍慰安婦問題における河野談話の検証などを過大評価して、日本を敵害視する中韓相手に一歩も引かない頼もしいリーダーだと勘違いしている者も多い。

 

このため、筆者のように安倍政権に文句を垂れる者などあくまで少数派で、大半は少々の不満や期待外れな面はグッと飲み込んで、“民主党時代の体たらくを思えば贅沢は言えない、我慢するのが保守だ”、“民主党時代と比較して株価も上がった支景気も回復した、何の文句があるんだ”、“安倍政権に対する倒閣運動は中韓の思うツボだ”などと、あくまで安倍政権支持の姿勢を堅持する層が大半だろう。

 

こういった時勢を読み切れないタコ壺型保守の決まり文句は、なんといっても「文句を付けるだけでなく、安倍政権の政策を是々非々で判断すべきだ」というセリフだろう。

 

辞書で定義される「是々非々」の意味は冒頭に記載したとおりだが、実際に「一定の立場に囚われず」に物事を判断したり批判したりできる者など滅多にいない。

たいがいは、対象となる人物や政策などの評価を大枠で定めたうえで、自らが社会人として良識的かつ冷静な判断ができるという態度を装うために、後付けで「是」や「非」の部分を少々付け足す程度で終わるのが関の山だ。

 

そして、軽々しく「是々非々」という言葉を連呼する連中に限って、「ほんのごく一部『非』の部分もあるが、あくまで総体としては『是』」、という結論を隠したまま、良識ぶって態度を曖昧にしようとする。最初から、『是』という結論は決まっているのに、周囲の批判をかわすために、仕方なく一部を『非』と言いつのり、さも、自分が熟慮している風を装っているだけだ。

安倍政権の第三の矢に盛り込まれた労働市場の破壊政策や外国移民推進政策の負の側面を糊塗する、あるいは、そこから目を背けようとする幼稚な連中に限って、「何でも反対主義は左翼と同じ、政策は是々非々で判断すればよい」などと冷静さを装うが、冷静な判断力を欠いているのは、むしろこうした似非良識バカの方だろう。

 

彼らは、安倍政権が繰り出す第三の矢や新成長戦略、骨太の方針の内容が、日本の国力や国富に対する強力な破壊装置になる事実を十分に理解している。だが、敢えてそういった事実から目を逸らそうとする。

筆者は、彼らがそういったバカげた態度を取る真意がどこにあるのかを探求する気はない。

本気で目が曇っている者もいれば、乗り掛かった舟から降りることを潔しとしない者(恥ずかしくて降りられない者)、あるいは、できるだけ多くの者を泥舟ごと沈めようと企む者もいよう。

 

この手のバカ者は、くだらぬ政策ばかりを連発する政権を甘やかしがちで、何かと理由を付けては愚策を追認する術に長けている。

彼らは、かの移民促進政策の露払いだとしか思えない技能実習制度の受け入れ期間延長問題や残業代ゼロ法案を揶揄される政府の産業競争力会議が提言する労働時間規制緩和問題などといったどう考えてもデフレ脱却への逆噴射政策でしかない愚策に対して、一時的な人手不足を補う政策だとか、多様化する労働者のニーズに対応する制度の改正だと詭弁を弄して必死にフォローしようと涙ぐましい努力をしている。

 

だが、百歩譲って彼らの主張を是として受け容れたとしても、それらは決して日本の成長や発展の基盤や養分となるものではない。最大限贔屓目に評価しても、衰退のスピードを少々緩める程度のものに過ぎない。

 

日本経済を強力に成長軌道に導く政策、つまり、第一の矢や第二の矢に連なる政策を排除して、成長の足枷にしか成り得ない愚策を選択する時点で大きな判断ミスを犯しているのだが、百円を払って五十円玉を買おうとするような正常な判断のできないバカ者に何を言っても無駄だろう。