うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

経済成長を疑わないことがデフレ脱却の第一歩

来春からの消費税増税は、大方の見方のとおり101日に安倍総理があっさりと引き上げ容認を宣言した。

これを受けて共同通信社が行った全国緊急電話世論調査は次のような結果となった・

●内閣支持;支持63.3% 不支持24.1%

●消費税率の8%への引き上げ;賛成53.3% 反対42.9%

5兆円規模の経済対策;評価する36.1% 評価しない48.5%

●復興特別法人税の廃止;賛成23.8% 反対65.3%

●消費税率の10%への引き上げ;賛成31.0% 反対61.6%

●軽減税率の導入;した方がよい79.0% しなくてもよい15.8%

 

デフレ経済下での消費増税など非常識だ、家計の負担増加で庶民の生活が破壊されるなどと散々批判された割に、8%への引上げに過半数が賛意を示し、内閣支持率は半月前の調査よりわずかだが上昇(+1.5%ポイント)している。(内閣支持率8%への引上げ以外の項目は、かなり世間の実感や実態を反映しているようだが…)

筆者の周囲では税率引上げに賛同する変わり者は12割ほどしかおらず、この結果にはかなり違和感を覚えている。まあ、積極的に賛成というより、“国の借金が大変だ、社会保障費が足りない、国債金利が上昇してしまう”といった財務省の脅し文句が奏功し、多くの国民が諦めムードになったのだろうと理解している。

 

調査結果をまとめると「民主党は全然ダメだったんで当面は現政権を支持する。国の借金も大変だし、社会保障費も増えるから8%までの増税は仕方ない。でも、これ以上の負担はゴメンだよ。」といったところか。

だが、そんな甘い態度で政府の暴走を見過ごし譲歩を続けていると、気付かないうちに取り返しのつかないデフレ地獄へ引きずり込まれてしまう。

 

今回の増税の大義名分のひとつに、毎年1兆円ずつ増加する社会保障費の問題が挙げられる。しかし、1兆円の財源が不足すると煽りまくっておきながら、復興特別法人税の前倒し廃止による9千億円の税収減をあっさり承認しており、社会保障費の負担増など大した問題ではなかったことがよく判る。

何としても増税を実現させたい財務省の省益第一主義に、構造改革派の政治家や経済界、エコノミスト、学者、マスコミ等の取り巻連中が悪乗りして便乗した結果、増税の影響や大義を検証することなく、いともあっさりと増税が実現してしまった。

これも昨年の三党合意以前から、与野党を問わず政界に跋扈する構造改革派の政治家と財務省が綿密に連携してきた成果と言えよう。

むろん、安倍総理もそうした愚かな政治家の一員である。

 

安倍政権や財務省は、なにも税収や財源不足を理由に消費増税を強行した訳ではない。当初から増税すること自体が目的だったのだ。

 

一方、肝心の経済対策の中味はと言えば、インフラの老朽化対策等の公共投資2兆円、震災復興事業1.3兆円、低所得者への現金給付0.3兆円、住宅ローン減税0.3兆円、復興特別法人税廃止0.9兆円、設備投資を促す法人減税0.7兆円、賃上げ促進税制の拡充0.2兆円の計56兆円に過ぎず、消費増税による約8兆円とも言われる負担増に遠く及ばないし、単発の補正予算を恒久的な消費増税の対策とすること自体に無理がある。

消費増税は、いわば息をするだけで負担が増す重税だが、上記の経済対策の多くは、大型の消費や投資を前提としており、それに見合う資金や資産を有する一部の企業や家計しか恩恵に与れない不公正な制度だ。

大雨を降らせておいて、限られた者にしか傘を配ろうとしない愚策と言える。

しかも、麻生財務大臣は、わずか56兆円の財源ですら、新規国債発行で手当てすることを渋っている始末だ。

 

また、インフラの老朽化対策等の公共投資や震災復興事業を消費増税の見返り対策に忍び込ませることにも強く異論を唱えたい。

これらは、チンケな増税の煙幕として使われるべき類の事業ではなく、デフレ脱却や東北の経済復興を実現させる梃子として優先順位の最上位に位置付けられるべきだ。こういった重要な事業を消費増税の隠れ蓑的にコソコソ使うなどもってのほかで、自民党の公約に書いてあるとおり、堂々と国土強靭化政策の重要な柱として執行すべきだろう。

 

消費増税と法人減税をセットにした安倍政権の決断は、さすがにマスコミからも強い非難を浴びている。

世界が注目するアベノミクスと持て囃されながらも、ほとんどの国民はいまだに景気回復や収入増加の実感がない中で、一方的に脱デフレ宣言がなされて消費増税が決まり、自分たちから散々搾取してきた企業だけが減税の恩恵に与るという構図は、どうあっても国民に理解されないだろう。

そして、今回の措置に対する国民の怨嗟のマグマはバカマスコミに上手く利用され、改革の名の下に大々的な緊縮キャンペーンが始まるだろう。

現に、上記の共同通信世論調査でも、増税に当たり政府や国会の経費を減らす「身を切る改革」に91.4%が賛成しているし、国会議員の定数削減に60.9%国会議員の給与削減に51.4%が賛成と回答している。

 

これを機に、改革とか削減という後ろ向きなキーワードが大好物のマスコミが、TVや新聞をボケーッと眺めるしか能がない国民を先導して、“国民に負担を押し付けるなら政府や国会議員、官僚も身を切れ”、“国民が我慢している時に公共事業を増やすなんてとんでもない、ムダ遣いを止めろ”と緊縮財政キャンペーンを張ることは目に見えている。“増税の前にやるべきことがある”といういつものアレだ。(もう、増税後なんだが…)

財政再建と経済再生の両立、国と地方の基礎的収支の黒字化、痛みを伴う社会保障改革などといった財政政策を邪魔するキーワードは枚挙に暇がない。

マスコミの連中を野放しにすれば、公共事業費の削減による国土強靭化計画の骨抜きや地方交付税削減による地域経済の衰退を招くことになる。

 

近年、国民や中小企業に痛みや負担を押し付ける政策を包み隠そうとせず、敢えて堂々と公言するような態度をよしとする自称改革派の政治家が跋扈している。

彼らは、国内に蔓延る諸問題を「改革」と「削減」で解決すべきと信じ込み、ひたすら「負担」と「縮小」を国民に強要する。国民に甘い顔を見せず、厳しい政策を課すことが本物の政治家だという幼稚なヒロイズムに浸っているから手に負えない。

 

この手の薄汚い政治家の思考は、ブログで東北の復興に文句を垂れて更迭された経産官僚と同根で、世間を洞察する視野が極端に狭い。まるで、世の中の仕組みをかじり始めた中学生並みの青臭さを感じる。(大阪のバカ市長やみんなの党の連中が代表例)

プライドが高く、極端な合理主義を好み、世間知らずで生活能力が乏しいくせに公助や共助を嫌ってやたらと自助・自立を強調したがる。自身の能力はさておき、世の中から不合理や非効率なものを排除すれば理想の社会が生まれると信じ込んでいる。

 

このような構造改革主義者や新自由主義的な政治家が主導権を握っている現状に、バカマスコミが呼応して財政削減の動きを加速すれば、もともと財政政策に無理解な国民がコロリと騙されることは火を見るより明らかだ。

 

安倍政権は、アベノミクスに対する過大評価に妙な自信を深めたのか、TPP参加、消費増税、労働流動化政策、法人優遇政策などの悪手を次々と実行に移そうとしている。

このうえ緊縮財政政策を採れば、未だデフレ不況下にある日本経済は壊滅的な打撃を喰らうだろう。

国内経済は完膚なきまでに疲弊し、海外市場を求めて企業の流出が加速して雇用悪化に歯止めが利かなくなり本格的なデフレスパイラル突入への引鉄が引かれることになる。

 

そもそも、デフレ下での大増税という愚策が国会で議論に上ったのは、1,000兆円にもなる莫大な国債残高への恐れとともに、日本経済の成長そのものを断念していることに起因するのではないか。

国債への懸念に関しては、自国通貨建てかつ9割以上を国内機関が所有しており、金利も世界最低水準を維持していることからその償還能力に何ら問題はない。日銀による買い取りや政府紙幣の発行など対応策はいくらでもある。

 

なにより問題なのは、国家全体が経済成長を諦めてしまうことにある。

経済成長に対する見方は、

①経済成長を確信する層

②経済成長への自信を失いかけている層

③端から経済成長を諦めてしまった層

に分別され、②や③の思考パターンは、深く考えることなく増税止むなしという結論に陥りがちだ。

日本経済の将来に期待を持てない、あるいは、持とうとしない者は、軽い気持ちで日本縮小論や日本衰退論に同調し、構造改革主義者や緊縮財政主義者のバカが唱える“身の丈に合った経済運営”という愚論を抵抗なく受け入れてしまう。

 

世界最大の債権国にして最高レベルの技術力を保有する先進国が成長を諦めてどうする。

いかな最貧国であっても、今日より明日は豊かになりたいと願い、それに向け努力を続けるのは当たり前のことだ。

成長を放棄するバカな国など世界中を探しても日本以外に見当たらない。

 

我々が、デフレに苦しみながらも何とか先進国の体を保っていられるのは、先人が成した努力や投資のおかげだ。

先人が築いた資産や社会基盤をさんざん喰い散らかしながら、未来の子孫に資産を引き継ぐ努力を放棄するような臆病者は、早々に政界からお引き取り願いたい。