うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

国民経済の成長に貢献しない企業を甘やかすな

先ごろ、自民党から7月の参議院選挙に向けた公約が発表された。

その内容を読むと、肝心の財政金融政策に関する項目が全体の1割程度に抑え込まれる一方で、残りの9割には「国際、貿易立国、TPP法人税引き下げ、イノベーション、女性の活用、英語教育、自助・自立、行政改革」といった構造改革色の極めて強い内容が盛り込まれており、昨年末の衆議院選挙で掲げたスローガンとはすっかり別物になってしまった。

まさに小泉バカ政権時代あるいは先の民主党政権時代への先祖がえりであり、暗澹とする気持ちを拭いきれない。(評価できるのは国土強靭化と原発再稼働、中小法人の交際費課税

特例の拡充、防衛力強化くらいなもの)

 

さて、今回の公約の中に、<さあ、地域の活力を取り戻そう。>の項に、「中小企業・小規模事業者を応援」という項目があり、 そこに、

「●わが国経済の基盤である中小企業・小規模事業者を成長戦略の中核に位置づけ、技術開発、販路開拓、事業承継、商店街の多機能化等を強力に支援します。

●地域に眠る技術資源の発掘から黒字化までのプログラム制定への支援、新市場創造や海外市場獲得につながる分野の裾野産業への支援、最も資金繰りが苦しい創業当初の時期への支援を図ります。」と謳われている。

これらは、中小企業や小規模事業者の開発や事業化、販路開拓等を支援する補助制度を拡充するという意思表示だろう。

こういった施策は、経済産業省関係機関、あるいは各都道府県の予算として事業化されることになる。そして、この手の補助金を使う際のお約束事として「補助金支出対象の現地主義」がある。例えば、山形県補助金であれば、その補助対象は山形県に所在する(もしくは山形県に進出する)企業に限られるということだ。つまり、山形県民から集めた税金を原資とする(実際は地方交付金も大きな比重を占めるのだが…)以上、そこに所在する企業のために遣うべきと発想だ。

補助金の実施に当たっては、優れた技術やビジネスプランを持つ企業を選定し、開発や販路開拓に要した経費の一部を補助金として支援するのが一般的だが、本来企業の自助努力として行うべき開発や販路開拓を行政が補助金という枠組みを用意して支援するのは、それらの取組みが事業として実を結び、地域の経済成長や雇用増加に貢献することを期待しているからだろう。つまり、補助金の見返りとして当該地域や県に経済的な波及効果を求めていると考えるのが常識だ。

 

しかし、こういった補助金の常識とは全く別次元で、国民経済に大した貢献もしていないくせにダラダラと優遇措置を受け続けている輩がいる。それが、経団連経済同友会をはじめとする怠け者のたかり屋の連中だ。

今回の自民党の公約にも堂々と「法人税の大胆な引き下げの実行」が謳われている。そもそも、企業の約4分の3が赤字という状態で法人税率を引き下げても波及効果は殆どない。経団連の連中が法人税引き下げを要求するのは、共産党社会党が年がら年中原発に反対するのと同じことで、季節の便りのようなものだ。そんなものは放っておけばよいのである。

 

下図に示すとおり、97年のデフレ突入期以降、時の政権は、家計に増税(+減税措置の縮小)を強いる傍らで、企業に対しては数多くの優遇施策が実施されてきたが、効果がないどころか、国民経済に何も還元されていない。

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政府や家計から様々な施しを受けておきながら、大企業を中心とするたかり屋たちは、デフレ下で雇用面で強い立場にあることをいいことに、政策の期待を裏切り続けた挙句、「まだまだ優遇措置が足りないぞ、韓国やシンガポールを見習って法人税を引き下げろ。ただでさえ高いカネを払ってわざわざ日本人を雇ってやってるんだ。文句があるなら海外に工場を移すぞ。安いカネで働いてくれる外人ならいくらでもいるぞ。財源が足りないだと?消費税でも上げて国民から絞りあげろっ!!」と政府や国民を恫喝する始末だ。

 

政府の施策や補助金を行う意味は、サポートにより業績を伸ばした支援先が、地域や国に経済的な、あるいは雇用面の波及効果をもたらすことにある。つまり、一種の乗数効果的な経済効果の創出を期待しているのだ。

しかし、こと法人税率の引き下げや雇用条件緩和といった小泉バカ改革騒ぎ以降の企業支援施策はことごとく失敗に終わったといっても過言ではない。

技術立国日本を支える成長エンジンだとおだてて、甘やかし放題に美味しいエサを与え続けたせいで、経団連経済同友会の連中はますますツケあがり、ワガママなモンスターに変貌してしまった。あの薄汚い連中には、長期的な視野に立って従業員の雇用を維持し、技術や人材の育成に励もうとする思想が全くない。

 

日本という国のため、あるいは、日本や地域経済の成長に寄与しようとしない恩知らずにこれ以上エサを与えるべきではない。

これまでの所業を鑑みて、経団連のバカどもの言いなりになって法人税を下げるなど言語道断である。むしろ、業績と雇用条件との間に正の関係を維持しようとしない企業や国内の生産拠点を海外に移した企業には、国内から雇用の場を奪ったペナルティとして数年間に亘り特別加算税を課すべきだ。

国民の税金で創り上げたインフラや人材にタダ乗りしようとする企業を優遇するなどとんでもないことだ。

「そんなことをして、日本から優良企業が海外に逃げ出したらどうするんだ」という批判もあるだろうが、気にすることはない。

国内では偉そうにふんぞり返っていられるが、彼らには会社を丸ごと海外に移転させる度胸なんてない。言葉の通じない外人相手に得意の自慢話をしてもバカにされるのがオチだ。

百歩譲ってトヨタが海外に出て行ったとしても、残った日産やホンダが喜ぶだけの話である。