うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

要求は成果を上げた後で

今日、平成2514日の仕事始めに当たり、日本のあちらこちらで経営者や組織の長の口から年頭の辞が述べられたことだろう。

恐らく、そういったトップのメッセージの中には、“変革・改革・変化・殻を破れ・チャレンジ・創造・グローバル”という空虚なキーワードが少なくとも一つ以上は含まれていたのではないか。

ちょっと調べてみると、平成13年頃の年頭の辞でも、盛んに「改革」という言葉が使われており、多くの経営者や組織の長たちは、十年一日のごとく「改革」とか「チャレンジ」とかいう変わり映えのしないスピーチを続けてきたようだ。

 

実際に、経済活動や社会活動の実務に携わることのない人種ほど“変革・改革・変化・殻を破れ・チャレンジ・創造・グローバル”といった気合たっぷりのキーワードを好んで使いたがる。

政治家、経団連経済同友会の連中、マスコミ、官僚の上級職層、学者、エコノミストといった社会的地位の高い層だけでなく、老人、主婦、学生などといった層もこの手の人種に含まれる。何しろ、自分達は面倒くさい実務をやることも、実務の結果としてのリスクを負う必要もないから、言いたい放題だ。

実体経済を支える現場で働く層からすれば、「ヒト・モノ・カネ」の基本的な経営資源を十分に与えられぬまま、変革とか創造とかいう絵空事を強要されることほどうざったいものはない。トップが社員に向かって訓示を垂れるだけで満足しているうちはよいが、社内で英語を公用語化するとか、いまさら社内カンパニー制度を導入するとか言い出した日には目も当てられないだろう。

 

変革すべきは“人口減少に見舞われた日本はもはや成長できない”という固定観念であり、チャレンジすべきは“日本経済を再び成長軌道に乗せる”ことであろう。

 

日経の記事によると、主要企業のトップが発表した年頭所感では、激化するグローバル競争に勝ち抜くことへの決意と危機感を滲ませるとともに、『超円高・高すぎる法人税率・厳しい労働規制・高い電気料金・CO対策など環境対策コスト・貿易自由化の遅れ』という“6重苦”の是正を政府に求めたとのこと。有体に言えば、“法人税を安くしろ、労働者を好きな時に解雇できるようにしろ、早くTPPに参加しろ、余計なカネを使いたくないから電気料金や環境コストを引き下げろ”ということだ。(円高の是正、くだらないCO削減規制の撤廃に関しては筆者も同意)

 

いつもながら、実体経済への貢献度が低すぎる割に都合のよい時だけ政府を頼ろうとする、経団連経済同友会ほか主要な経済団体所属の大手企業の厚顔ぶりは、中韓両国に勝るとも劣らない。

 

経団連の連中がバカの一つ覚えのように引き下げを連呼する法人税だが、平成2年に基本税率が37.5%に引き下げ(ピーク時は43.3%)られ、その後も数度の引き下げを経て、現在では25.5%にまで下げられてきた。

だが、税率引き下げの恩恵を受けた企業が、その間に国民経済に与えたパフォーマンスは次のような体たらくである。

法人税額;平成218.4兆円→平成229兆円(51%減少)

〇黒字企業の割合;平成251.6%→平成2225.2%(26.4ポイント悪化)

〇給与所得者平均給与;平成2425万円→平成22412万円(13万円減少、ピーク時の平成9467万円との比較で55万円減少)

正規雇用者数(非農林業);平成23,473万人→平成223,334万人(139万人減少)

非正規雇用者比率;平成220%→平成2233.6%(13.6ポイント悪化)

このように、法人税率引き下げや労働規制の緩和(+空前の低金利、数度に亘る為替介入)などといった優遇策を与えたにもかかわらず、国民経済に対する貢献の跡やメリットがほとんど見受けられない。

つまり、国民や政府が企業を甘やかしすぎたのだ。

大財閥企業に国家運営の手綱を握られている韓国ですら、国民からの行き過ぎた大企業優遇批判を受けて、新大統領は大企業に対する最低限法人税率を現行の16%から18%へ引き上げを検討していると聞く。

 

コネ入社した生意気な社員をおなさけで昇進させたのに、一向に働こうとせず周囲とも協調しようとしない。その挙げ句、会社の経費で飲み食いをして領収書を勝手に経理にまわすようなバカ者がいた場合に、通常の組織であればどういう対処をするだろうか。

まさか、その問題児を昇進させたり、昇給させたりはするまい。