うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

公共事業は三度の飯

先の衆院選は、マスコミ各社の事前調査の予測どおり自民党の圧勝という結果になった。

今回の選挙結果は、自民党への支持ではなく、民主党への批判の表れとの分析が一般的だが、筆者もこれに同意する。

 

自公両党が掲げる国土強靭化政策に対して、多くの国民が財源問題や国債の増加を理由に忌避感を抱いていることは間違いないが、自民党首脳部は、選挙結果に対して浮ついた様子を見せることなく落ち着いた態度で対応している。また、10兆円規模の経済対策を即座に表明し、日銀に対してインフレターゲット政策の導入を強く迫るなど経済再生に向けて強い意思表示を行っていることは評価したい。

 

マスコミは、安倍新政権の動きに対して、選挙期間中は建設国債の発行など財政政策を中心に強い批判を浴びせていたが、いまやその批判の矛先はインフレターゲットや金融政策に向かっている。

「日銀がいくらお金を刷っても銀行に滞留するだけだ」、「インフレターゲット導入により日銀の独立性が損なわれる」、「通貨の乱発により日銀の信認が損なわれる」といった具合に安倍総裁が求める大胆な金融政策を強く批判するが、一連の金融政策批判の大合唱の真の狙いは財政政策を阻止することにある。

 

量的緩和を中心とする金融政策は、すでに小泉バカ政権時代からずっと行われてきた。

日銀による国債の買取量の多寡に関する議論はあろうが、欧米各国でも標準的な経済政策として一般化(効果はいまひとつだが…)しており、金融政策の是非に関して、いまさらマスコミが躍起になって反対する理由はない。

マスコミの連中が批判の矛先を金融政策に集中させる意図は、世論や議論から「財政政策」の文字を消してしまうことにある。

 

マスコミや財務省の連中にとって、金融政策などやろうがやるまいがどちらでも構わないが、大規模な財政政策だけは何としても阻止したいというのが本音だろう。「金融政策は戻ってくるカネ、財政政策は戻ってこないカネ」という単純だが頑固な意識に囚われた財務省のバカ官僚にとって、財政政策など考えることさえ忌まわしい存在だろう。

 

しかし、アベノミクスを見越した株高・円安基調に国民の期待が集まりつつあり、放っておけば自民党の公約どおり国土強靭化政策にかこつけた大規模な財政政策の実行に免罪符を与えかねない雰囲気も出てきた。

財務省としては、そうなる前に財政政策という文字を国民の意識から徹底的に消してしまいたいと考えているはずだ。そのためには、金融政策への批判を前面に出し、世論の関心を金融政策に集中させてしまうのが最も効果的なのだろう。

 

彼らにとっては、議論が財政政策にまで波及しないよう金融政策やインフレターゲット辺りで論争を食い止めておくことが重要なポイントだ。

そもそも、金融政策自体には大きな抵抗感はないのだから、インフレターゲットや金融政策の維持拡大程度はある程度目をつぶる、最悪、日銀の独立性破棄くらいまでは差し出しても仕方ないが、大規模な財政政策が常態化するような事態だけは何としても阻止する、というのが財務省の強い意思なのだろう。

 

こういった財務省の意思を布教する宣教師の最たるものが日経新聞をはじめとするエセ経済誌の連中だ。

彼らの得意な文句に「公共事業はカンフル剤にすぎず長期的な経済効果は見込めない」という妄言がある。

カンフル剤とは、“だめになりかけた物事を蘇生させるのに効果のある薬”というのが本来の意味だが、彼らは長続きできない一時的な処置というマイナスイメージを世間に与えるために使っている。

彼らの云うとおり、公共事業=カンフル剤にすぎないのなら、公共事業は経済運営の主役ではなく経済成長にとってあってもなくても良い存在のはずだ。

公共事業などなくても、規制緩和構造改革を実行し、グローバル化に対応してアジアの内需を取り込めば経済は問題なく成長してきたはずだ。だが、現実はそんな夢物語をむさぼることを許さない。

 

国内で金融機関の大型倒産が相次いだ平成9年の惨状を受けて、翌年の平成10年には大幅な補正予算が組まれ約15兆円もの公共事業が行われてが、その後の公共事業緊縮政策により平成23年度には約6兆円にまで激減している。

その間の名目GDP512兆円から468兆円へと、公共事業費削減と歩調を合わせるように激減している。

財務省構造改革教のバカ者が胸を張って主張するように、公共事業がカンフル剤にすぎないのなら、なぜ、名目GDPが減ってしまったのか。

 

本来常食であるべき公共事業を、サプリメントだと勘違いして抜いてしまったばかりに、日本経済は体調を崩したまま長期入院を余儀なくされている。

構造改革教に熱中したここ10数年の経済パフォーマンスが惨憺たる結果に終わったことを冷静に振り返れば、マスコミが垂れ流す“日本は貿易立国だ”、“グローバル化の潮流には逆らえない”、“規制緩和を進めて産業構造を変えるべきだ”などといった寝言が空しく響く。

 

経済再生こそがいまの日本に課せられた喫緊の課題であり、新政権により大規模かつ長期的な財政金融政策が実行され、そこから生まれた経済成長の果実が、東北の復興を後押しし、失業や雇用不安に苦しむ多くの国民を救うことを願ってやまない。