うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

素人政治家に白紙委任状を手渡すな

政界では衆議院の年内解散・総選挙の動きが活発化しているようだ。

野田総理の“近いうち解散”発言から3カ月余りを経てようやく解散が現実化しつつある。

政権交代後、内政・外交ともに失政続きの民主党の継続を望む声はごく一部に限られるだろうから、年内解散・総選挙という流れは多くの国民にとって望むところだろう。

しかし、政治問題の本質を捉えきれない多くの国民が、いつものようにマスコミの世論誘導に乗せられて、以前の小泉郵政選挙民主党政権交代選挙の時と同じ轍を踏むことのないよう祈るばかりだ。

実際に、マスコミの街頭インタビューなどで政治に対する意見を求められると、「決められない政治がだらしない」、「ムダづかいをなくせ」、「国の借金が心配」、「官僚の言いなりだ」、「もっと海外に目を向けるべきだ」などといった的外れな意見が大手を振って闊歩している。

いまや戦後最低の政権とも揶揄される民主党政権だが、事業仕分けで官僚に睨みを利かせて歳費のムダづかい抑制に一定の効果を上げているし、財務省国債抑制キャンペーンにも率先して賛同し自公を抱き込んで消費税増税法案も実現させてきた。さらに、経団連エコノミストたちの海外志向に媚びてTPP参加に前のめりな姿勢を見せいえる。

こうした民主党政権のパフォーマンスを点検して行くと、街頭インタビューでマイクに向かって文句をまくし立てていた世間知らずの酔っ払いたちの願いをある程度は叶えてきたと評価すべきなのかもしれない。

民主党政権に対して、支持母体の官公労の言いなりになっていると批判する者がいるが、全く的外れな意見だろう。

これまで民主党がやってきた政策は、官僚にとってプラスになるものはひとつもなく、官僚から権限を奪い、その影響力や待遇を貶めるものばかりであった。

そもそも、政権交代後の民主党政権運営は、緊縮財政・増税路線・外需中心の経済政策など新自由主義構造改革派の流れを汲んだもので、小泉政権以降の自民党政治(一部を除く)のベクトルと基本的に変わりはない。

その政治手法は、政治や経済体制の疲弊や矛盾の要因を全て官僚に押し付けて国民の不満の矛先を官僚に差し向けることにより、官僚の行動を国民やマスコミの監視下に置くことで相対的に政治家の復権を試みようとするものである。

だが、政治家たちは、官僚たちに財政再建とかムダの削減といった生産性の低い仕事ばかりを押しつけるだけで、デフレ脱却や経済再建のための国民経済の成長という最も重要な仕事に官僚組織の持つ巨大なパワーを活用しようとはしなかった。

これこそが、失われた20年という不幸な時代を生み出した最大の要因である。

 

ここにきて、衆議院選挙を睨んだTPP参加問題や維新の会・太陽の党などの第三極の動きをクローズアップしようとする動きがある。

これらの政策や政党の主張を冷静に吟味すれば、いずれも日本経済にとって害になりこそすれ利益をもたらすものではないことが容易に判るはずだが、ひとたびマスコミの恣意的な世論誘導に掛かってしまうと、TVをボサっと眺めている多くの国民にはゴミが宝石に見えてくるから恐ろしい。

他の良識的なブログなどでも紹介されているとおり、TPPは農業問題よりもむしろ国内のサービス業や製造業に大きな打撃を与えるリスクが高い。

また、大阪の中学生市長率いる日本維新の会や銀行ごっこで膨大な不良債権を作った暴走老人率いる太陽の党の実力など官僚を腐すことしか能がない素人政治家に過ぎず、荒波にもまれる日本経済を舵取りする実力などない。

彼らは、ことあるごとに、薩長連合とか関ヶ原の戦いとかいう史実の転換期を示すキーワードを使って自らの行動を着飾ろうとするが、それは自身の思考や能力に対する自信のなさを裏付ける行為である。

歴史に名を残すような偉人たちは、故事に頼って自分の行動や思想を箔付けするような幼稚なまねはしない。

自らの信念に従い行動した結果が、後の歴史家によって評価されることにより、初めて史実や歴史として認識されるものなのだ。

だが、ことの初めからキャスティングボードや第三極狙いの小者には到底理解できない理屈なのだろう。

 

長引く不況に打ちひしがれた国民は、かつての成長を取り戻す自信を失っており、そもそも成長自体を知らぬ者も多い。

そういった国民の中には、自暴自棄になり、希望は戦争とかガラガラポン思想に陥っている者もいるだろう。

この手のリセット願望に一縷の望みを託す者は、TPPとか第三極といった“社会体制のリセットボタン”を押すチャンスを渇望している。

しかし、このリセットボタンは、日本経済全体を破壊する起爆装置であり、決して押してはならない禁断のボタンである。

いまの閉塞した社会を変えてくれそう、既得権益をぶっ潰してくれそうとかいった軽い気持ちでマスコミに乗せられて来るべき選挙に臨んでしまえば、国民はここ十数年のうちに三度目の大失敗を喰らうことになる。

そして、新年を迎えるH25年は、失われた30年の第一歩として記録されることになるだろう。