うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

反原発を隠れ蓑にした現実逃避

 東日本大震災の発生直後に日本中を覆った東北復興への熱い気持ちはいったいどこへ行ってしまったのだろうか。

  “がんばろう東北”とか“負けるな東北”なんて声高に連呼していたかと思えば、一方で、福島県の災害廃棄物(がれき)処理や陸前高田市の薪の大文字焼き問題では、川崎市民や京都市民、成田市民の一部の者から、およそ感情のある人間のものとは思えないようなキチガイじみた反対意見が湧き起こり、せっかくの善意を無駄にする結果になった。

 そして、ここのところ、またもや同じような不快な出来事が立て続けに起こっている。

  昨日のニュースによると、東北の野菜や牛肉を放射能まみれ呼ばわりして全て廃棄しろと暴言を吐いた幼稚な大学教授に対して一関市長が抗議したが、それをかばうどころか非難する意見が多数上がったようだし、福島県の応援ショップ出店計画に対して一部の福岡市民から福島県から来るトラックの放射能汚染が心配だという幼稚園児並みのアホな反対意見により出店が見合わされるという情けない話もあった。

今日は今日とて、福島第一原発周辺を視察した経済産業大臣が周辺町村を死の町呼ばわりしたり、防災服を報道陣になすりつけて放射能をつけたぞとふざけたりしたとの報道があり、この程度のバカに大臣の椅子を与える現政権のレベルの低さに心底呆れるとともに強い憤りを感じている。

 本当に今の日本人の頭の中は大丈夫だろうか。福島から来るトラックが放射能に汚染され、他の地域に放射能が蔓延するなんていう幼稚な発想はどこから来るのだろうか。週刊現代やTV各局に洗脳されたのか、やたらと放射能にビビって、福島ばかりか東北一帯が放射能まみれになっているかのような幻覚に囚われているバカが多い。ちなみに、東北自動車道の1日の通行台数は約37万台(H23/7、NEXCO東日本のデータ)にもなる。高速道路というほんの一部を切り取っただけでも、これだけ大量の車が行き来しているのが現実で、それらの車は当然県外にも大量に流出しているはずだ。福島第一原発から陸路で250㎞も離れた陸前高田の薪が放射能汚染されているなんて騒ぐような地図の読めない連中が存在するくらいだから、原発から60㎞くらいしか離れていない東北自動車道を通る車に対しても当然放射能汚染を疑ってしかるべきなのだが、不思議と東北自動車道の出入り口で放射能チェックの検問をしろなどという声は聞かれない。

 百歩(というより千万歩)譲って福島を通ったトラックなどが放射能汚染されていたとしても、すでに莫大な量の物流や物資の移動が現実に行われてしまっており、いまさら放射能云々を騒ぎ立てたところで完全に手遅れである。そんな単純なことも理解できないようなら、もう一度小学生に戻って勉強をし直した方がよい。日本の輸出企業、特に多くの中小企業が、製品を輸出したくとも輸出先から謂れのない風評被害を受けて困っている。自国の低レベルな衛生管理状態を棚に挙げて、日本製品にイチャモンを付けるなんてもってのほかなのだが、肝心の日本人が自国内の風評被害を煽っているようでは元も子もない。

 原発の問題に関して言えば、度を超した放射能恐怖症のバカバカしさもさることながら、九電や北電のやらせメール問題もまことにくだらない。電力会社が、原発に関する報道番組やシンポジウムに自社や関連企業の社員を動員して意見誘導を図ったと暇なマスコミが喜び勇んで叩いているが、一方で原発に反対する勢力のやらせには目をつぶるような偏った報道姿勢は公平さに欠けている。

 そもそも原発のシンポジウムなんて面白くもないイベントに興味を持つのは、電力会社の社員か、もしくは暇を持て余している反対派の活動家しかいない。シンポジウムに参加していたのは、やらせのための電力会社の社員ばかりではなく、原発に強く反対する団体やプロの活動家も大量に参加していたようだし、当然彼らの間では参加を呼び掛け合うこともあったろう。また、反原発論を補強し合うための意見調整も行っていたことだろう。(そうでなければ参加する意味がない) なのに、なぜ一方だけがやらせをしたと極悪人のように非難されなければならないのか。反原発派や活動家のやらせは許せても、電力会社のやらせは許せないというのは、原発への偏見に基づく誤った意見だ。

  所詮、シンポジウムなんて地元への説明会やアリバイ作りのためのイベントに過ぎないことは、参加者全員が理解しているはず。そんなところで原発推進の賛否が決まるはずもなく、双方にとって単なるガス抜きの場でしかない。つまり、やらせなんてやってもやらなくても結果は同じことなのだ。

 マスコミも政治家も国民も、いつまでも原発問題などにかまけていないで、真剣に東北の復興事業や日本全体のデフレ脱却に関心を向けるべきだ。内閣府が発表した2011年4-6月期の名目GDP成長率は前期比で▲1.5%と大きく落ち込み、これは年率換算で▲6.0%という強烈な落ち込みである。加えて、経済成長に向けたプラス材料がないばかりか、復興増税問題や円高、TPPなど経済の足を引っ張るような課題が山積している。

  将来世代に疲弊した経済状態をバトンタッチするようなツケ回しをさせないためにも、デフレからの脱却と東北の復興が一日も早く実現させ、社会基盤の整備や経済の安定的な成長につなげていくべきだ。そのために必要なのは、現政権やそれをヨイショするマスコミの連中が望むような復興増税や無駄の削減などといった逆噴射政策ではないことは自明のこと。国家的な惨事を目の前にして、構造改革だとか、財政の均衡とかいった的外れな議論をしている段階ではない。内需を長期にわたって喚起する政策を早急に実施しない限り現状は変えられない。