うずらのブログ

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文句をつける相手が違う

 東日本大震災から4週間が経過し、様々なことが浮き彫りになってきた。

 国内有数のリアス式海岸を有する岩手県では、その地形ゆえに30メートルを超す津波に襲われた地域もあり大きな被害を蒙ったが、海岸線が比較的平坦な宮城県から茨城気県北部でも大きな津波被害が認められ、今回にの地震がいかに想像を絶する規模であったかが判る。

 同じ岩手県内でも、釜石市宮古市では頑丈な堤防が津波に抗しきれずに大きな被害を受けたが、県北部にある普代村では防潮堤と水門が村を守ったという報告がある。また、宮城県でも、東松島市800名を超える死者を出す一方で、松島市では死者が1名と被害状況に大きな差異がある。松島市では、湾の入り口に点在する松島の島々が天然の防壁となったと言われている。

 今回の痛ましい事態を次代への教訓として活かすことが大切だ。一部の公共事業嫌悪派からは、堤防など無駄だといった暴論が出ているが、耳を貸す価値はない。彼らは、ただ公共工事をやりたくないだけなのだ。一本の堤防で不十分なら、配置を変えて複数設置する手もあるし、先の松島の例を見れば直線型ではなく、円形や紡錘形の堤防も効果的かもしれない。ともかく、不幸にして起こってしまった出来事から少しでも役立つことを学びとらなければならない。

 

 TVや新聞では、東電原子力保安院が袋叩き状態になっている。どうみても東電は震災の被害者サイドなのに、福島第一原発放射能漏れ事故(厳密には事故とは言えない)以来、その一挙手一頭足すべてに文句をつけられている。かつての雪印ミートホープ状態である。この度を越した東電いじめは、農家や水産業者などに風評被害をもたらし、外国人の過剰な放射能アレルギーを助長している。開幕を待たずにアメリカに帰ってしまいクビになった巨人の新外国人みたいなバカがいたかと思えば、放射能の雨が降るのを心配して国中の学校を休校してしまう韓国みたいな幼稚な国もある。たいがいの国では、放射能よりも治安状態の方がよっぽどリスクが高いだろうに。よほど変わり者が多いのだろう。

 相変わらずバカマスコミが、東電は隠蔽体質だの、対処が後手後手だとの喚いている。また、知ったかぶりの学者が、貞観地震の例を挙げて数年前に安全対策の不備を指摘していたなどと後出しジャンケン気味の発言をしている。こういう事態が起こってしまえば、後講釈でいくらでも立派なことが言えるものだ。あらゆる事態を想定して、万全の安全対策をとるべしと言うのは簡単だが、その対策を実行に移すとなると簡単にはいかないことは、企業に勤めた経験のあるものなら容易に判るはずだ。リスクが予想されるからと言って、すぐにそれに対応できるだけの設備や体制を整えることなど、予算の制約もあり現実には難しい。いかな安全性を問われる原発だとて例外ではない。安全性云々と言っても、所詮予算制約の中での話にすぎない。これは東電だけではなく、今回の大震災で操業に影響が出たり原料・部品などの供給が滞っている全ての企業に言えることだ。事前にリスクを予想して適切な対策を打たれておれば、そういった遅滞は生じないはずだが、実際には多くの企業が右往左往している。今回の事態が東電だけではなく殆ど全ての企業にとって、まさに“想定外”だったのだ。なのに、東電だけを標的に常軌を逸した非難を続けるのは全くのお門違いであり、今すぐ止めるべきだ。マスコミも“いま私たちにできることを考えましょう”なんて美辞麗句(どうせやる気もない)を並べる暇があれば、黙って募金していろと言いたい。

 先ほどの貞観地震が起こったのは平安時代869年で、いまから約1,100年前だ。まさに1,000年に一度の大地震であり、これを想定して安全策を万全に(ただし予算の範囲内で)、なんていうのは単なる後講釈の暴論である。

 

 頭の悪いマスコミだけでなく、多くの国民が口を開けば東電けなしに余念がないが、いくら文句を言っても、現実には放射能漏れは止められない。本当に放射能漏れが心配なら、余計な文句を言わずに、それを止めるスキルを持った東電やその関係会社(協力会社)などに全てを任せるべきだ。毎日のように理不尽な非難に晒されると、委縮するあまりに普段ならなんともないようなことさえミスしてしまう。いまの東電原子力保安院は、焦りもあるのか冷静さを失った状態にある。原発問題を早期に収拾するためには、彼らの力が必要であり、十分に能力を発揮できるようフリーハンドで事態に対処できるような環境を与えるべきだ。

  日本のエネルギー供給割合は、2008年度(資源エネルギー庁資料)で石油19.5%・石炭15.7%・天然ガス25.1%・原子力20.1%・揚水10.7%・新エネ8.9%と非常にバランスのとれた構成になっている。アメリカやドイツでは石炭の割合が50%ほど、同じく中国では8割近くを占め、フランスでは原子力8割近いなど、各国のエネルギー構成には結構偏りがある。

 日本では、原子力放射能漏れが心配だと非難され、火力発電をすればCO2が増えると非難され、水力発電をしようとすればダムを造るなと言われ、風力発電機を回すと低周波が体に悪いとか鳥がぶつかるとイチャモンをつけられ、挙句の果てには隣家の太陽光発電のパネルが眩しいと苦情が出る。まことに自分勝手な国民だ。

 さんざん原発に文句をつけても、いざ原発が止まってしまうとたちまち国民生活が大混乱に陥るのは明らかだ。実際に計画停電程度で東京はバタバタしている。

 将来的にはメタンハイドレードなどといった新たなエネルギー源の開発が望まれるが、操業レベルに達するのは数十年かかるだろう。それならば、原発を止めるなどといった拙速な議論ではなく、今回の事故を教訓にした安全対策に注力した原発稼働に努めることの方がはるかに有益だろう。

  政府も東電を悪者にして事態から逃げ回るのではなく、復興財源の確保と復興を含めた国土再生計画を立案・実行すべきだ。いまだに思い切った復興財源を提示できずに、ぐずぐずと増税や予算組み替え論をくすぶらせているのは情けない。

 日銀の国債引き受け日銀総裁が拒むようなら、総裁の首を挿げ替えてもよいし、財政支出を拒む大臣(財務大臣や経済財政担当大臣のバカコンビ)を更迭してもよい。事態を理解できないような低能な人材を要職に就けておけるような余裕はない。