うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

テレビみてる?

 2010年のアメリカ中間選挙は、オバマ政権を支える民主党が敗北を喫し、上下両院で議席を減らし、下院では共和党に過半数を制される結果になった。選挙の結果云々に関しては、多くのメディアやブログで採り上げられているので、ここでは言及しない。(あいかわらず開票作業がトロくさいのには呆れるが…)

 ただ、マスコミ各社が言う“歴史的敗北”というのは、かなりオーバーな表現で、最近の例を挙げると、ブッシュ政権2期目の中間選挙ブッシュ政権の率いる共和党がイラク戦争の批判を受けて文字どおり大敗し、上下両院で過半数割れしたのは記憶に新しい。それでも、ムダに大統領の権限が強いアメリカでは民主党の政策が反映された様子はなく、小中学生並の知識レベルしかない世襲大統領が悠々と任期を全うしたことを考えると、今回上院で過半数を死守した民主党政権運営がさほど揺らぐとは思えない。

 それよりも今回の選挙結果を受けて改めて実感したのは、前々回のブログでも言及したが、欧米もすっかり日本病に罹ってしまっているということだ。

 前政権の失敗に起因するリーマンショックから立ち直るべく大規模な財政金融政策を実行しようとするオバマ政権に対して、「ティーパーティー」なる市民連合(小さな政府を妄信する気持ち悪い狂信者)が掲げる財政支出削減や小さな政府論が多数の支持を受けたことが共和党の勝因と報じられている。これは、バブル崩壊後による不況対策として大規模な財政政策を行った小渕政権による経済運営を否定して(間の森政権は省略…)熱狂的な支持を集めて小泉政権による郵政選挙と同じ構図だ。

 資産バブルの崩壊により経済全体が落ち込み、それをカバーしようとして財政金融政策が発動されるが、一時的に膨れ上がる国債残高に神経質なマスコミや小さな政府・構造改革規制緩和を狂信的に信奉する層(社会的地位の上辺・下辺に偏っているが)から強い批判を受け、いつの間にかそれが公務員改革やムダの排除など違う論理にすり替えられて、国の債務を自分の債務と勘違いしたり、公務員に嫉妬する多くの国民からいつの間にか熱狂的な支持を受けて、実力以上のパワーを発揮してしまう。

 国民も、政府の無駄遣いに歯止めを掛けたと、しばらくは自らの選択に陶酔できるが、やがて、それが自分の収入を減らすことや職そのものを失うことにつながることに嫌でも気付かされるだろう。

 大手新聞の解説記事によると、アメリカ国民は、大きな政府路線で膨れる債務や将来の増税を危惧してアメリカの未来を危ぶんだ結果、共和党を勝たせる選択をしたということだ。だが、筆者は、大局的な判断ができずに大きな選択ミスをした当のアメリカ国民の未来をこそ危ぶんでいる。アメリカ国民は、本当に“まずいタイミング”で“熱狂的な信念”を持って“大変愚かな選択”をしてしまったと思う。

 アメリカ(欧米諸国も)は、一体この20年にも及ぶ日本の苦境をどう分析してきたのだろうか。流動性の罠にはまって、いまだにデフレ不況からの脱却できずにいる日本の後を欧米諸国が見事なまでにトレースしている。日本が残してきた間違いだらけの答案を見て、彼らも同じ答えを書き込もうとしている様は滑稽だが、一面では、世界の超大国や欧州の先進諸国の国民のレベルも日本と対して変わらないことに妙な安堵感も覚える。偉そうにしているが、欧米諸国のレベルもしょせんこの程度かと。

 日頃、マスコミ嫌いを公言する筆者だが、日本という反面教師がありながら、あまりに同じような失敗をする欧米諸国の国民に聞いてみたい、「アメリカ人って、テレビのニュースを見てないの?(+新聞を読まないの?)」と…。