うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

国債発行をためらうな

 平成22年度の補正予算が4.8兆円規模で閣議決定された。今回の補正予算は新規の国債発行を伴わないのがウリのようで、財政健全化責任法案などという時代錯誤な法案を国会提出しようとする自公両党への配慮もあるとされている。

 国債の新規発行といえば、すぐにハイパーインフレになるだの、国債が暴落して金利が高騰して利払い負担が大幅に増えるだの、国債を大量に保有する金融機関に多大な含み損が発生するなどと寝ぼけた意見を吐く輩が現れる。

 ハイパーインフレや過度なインフレ発生については、デフレ下で大量のモノ余りに見舞われている現状を無視した教条的で幼稚な意見としか言いようがない。

 金利高騰に伴う財政負担云々についても、今後発行する新発債の金利こそ多少上がるだろうが900~1,000兆ともされる既発債の殆どは当然固定金利での発行であり、市場金利の動向に左右されるはずがない。金利上昇の影響が出るのは、あくまでこれから発行する国債のみである。巷でよく言われるように、金利が1%上がると国債の利払い負担が9兆円も増えるなどと言うのは小学生並みの知識レベルで、経済評論などする資格はない。

 国債価格の下落による金融機関の保有資産の変動についても、データは古いが、日銀や各政府系金融機関ディスクロージャー資料(平成20年度)によると、ゆうちょ銀行を除く国内金融機関(銀行、信金商工中金農林中金、農協、漁協)の資産内訳をみると、それらの国債保有額は合計118兆円に上る。一方で、貸出金は合計543兆円、株式等の有価証券は101兆円でその合計は644兆円になる。

 一般的に、金利が上昇するということは、資金への需要が高まり景気回復局面にあるということになる。また、金利が上昇すれば多くが変動金利制である貸出金の利率も上昇するはずで、当然金融機関の収益はUPする。国債保有高118兆円に対して金利上昇で金融機関の収益性向上に寄与すると思われる貸出金や株式等は644兆円と5.4倍にも上る。このことから、金利の上昇で多少の国債保有に対する評価損が出たとしても、その5倍以上の保有資産の収益が上昇するのだから、収益性が好転するであろうことは明らかだ。また、国債は最良の安全資産でもあり、満期保有すれば資産を棄損することはない。

 財政支出国債発行すること自体を忌み嫌うあまりに、こういうバカげた“都市伝説”が罷りとおっているのは嘆かわしいことだ。