うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

成長を邪魔するアントワネットたち

 今年度の2次補正予算案の積上げ額を巡り亀井金融相と菅副総理が火花を散らした。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091208-00000659-yom-pol民主党案の7.2兆円からの上積みを主張する亀井氏に菅氏が反発したというものだが、長引くデフレ不況に苦しむ日本への処方箋としては、明らかに亀井氏の主張が正しい。菅氏は、工夫や知恵でデフレ克服をと主張しているようだが、真水のマネーを実体経済に投じない限り、絶対にデフレから脱出できない。工夫や知恵に頼るのは、干ばつのときに雨乞いするのと同じレベルだ。

 デフレからの脱出には大規模かつ長期間のリフレ政策(財政政策+金融政策)が必要だが、これまでは、まともな(積極的な)財政政策は行われず、金融政策のみがダラダラと行われてきた。これは、凍える人を前にして、燃料ばかりを積み上げて肝心の火を点火しようとしないのと同じことだ。

 デフレ脱却策といえば、いまだに“規制緩和”や“法人税減額(たいがいは消費税増税とセットで語られる)”を上げる能無しがいる。しかし、これまでに、低金利、円安誘導、雇用法制緩和、法人税減税、開発投資減税など多くの補助を受けてきたにもかかわらず、まともな法人税を納めることもせず(7割の企業が赤字)、雇用もほったらかしにしてきた企業にこれ以上の減税をするなどもってのほかであろう。

 また、バカのひとつ覚えで念仏のように唱えられる規制緩和だが、いったいどの分野のどの規制をどの程度緩和しろと言うのだろうか。たしかに、古い時代の法律や政令などに基づく規制も数多くあり、これらを緩和すれば製品の改良が進むであろうことは否定しない。ただし、これはあくまで供給サイドの進展に過ぎない。ここで多少改良された製品が世に出たとしても、それを買う余力がなければ何の効果ももたらさない。ただ、在庫やゴミが増えるだけだ。規制緩和をどうしてもやりたいのなら、それを担保する需要の創出(国民の収入の確保)が欠かせない。つまり、構造改革主義者の大好きな“出口戦略”が必要だということだ。

 この規制緩和法人税が大好きな連中は、えてして困難に直面している人々に冷たい。公共事業が減って困っていると言えば、いつまでも政府に頼るな、衰退産業から脱皮して成長産業に移行せよと言い、就職難や失業で困っていると言えば、贅沢を言うな、最低限食っていける職など探せばいくらでもあるとこもなげに言う。だが、これをまともにやっていては、到底日本はもたない。純輸出を除く民間消費や政府支出がGDPの9割以上を占める内需依存国の日本では、企業の売上げや国民の収入が増えなければまともな成長はできない。まともな利益の上がる事業や家族が十分に食べていける収入をもたらす職こそが必要なのだ。規制緩和するなら、“国債が増えると日本が破綻する”、“財政支出など役に立たない”、“政府紙幣は過度なインフレをもたらす”などという間違った“規制”をこそ緩和すべきだろう。

 貧困に苦しむ民衆の不満に対して、「パンがなければ、お菓子を食べればいい…」と言い放った(とされる)マリー・アントワネットのような思考が、報道や論壇でのさばっていることに強い危惧を覚える。これは、飢餓に苦しむ人に食料を与えずに栄養学の本を投げ渡す行為と同じだ。雇用対策として、公務員などの直接雇用に言及せずに、職業訓練施策に逃げようとする連中もこの類だろう。