うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

国民が求めるのは“何か良いこと”

 日本だけでなくOECDでも、今回の世界的な経済危機の底が見えつつあるとの理由から、拡大させた財政政策を見直す発言が相次いでいる。いわゆる出口戦略を探ろうというものだ。

 ところが、一般の庶民にとっては、底が見えるどころか二番底や三番底に怯える状態といった方が正確だろう。この夏のボーナスは、中小のみならず大手企業も2-3割減額されるところが多く、これまで不況を他人事のように報じていたマスコミでさえ、TBSで2割、朝日新聞社で4割の減額される有り様だ。

 ハイブリッド車の大幅な増産が話題になっているが、国内の自動車生産台数全体では、ほんの一部の盛り上がりに過ぎない。一時は、伊勢丹の高級紳士服の成功例を真似て高級路線への回帰を図っていた百貨店も、ここにきて紳士服などの下取りなど、一気に安売り路線への転換を余儀なくされている。自治体や商店街だけでなく大手スーパーのイオンでさえ、どこかの町でやっていたようなプレミアム商品券にすがりついている。

 TVや新聞、雑誌では、こんな時こそ発想の転換を・・・、常識を打ち破れ・・・、不況下で業績を伸ばしている企業に学べ・・・などと偉そうに騒ぎ立てている。しかし、収入が減り消費が縮小する中で売り上げを伸ばすことなど不可能だ。自動車業界がエコカー減税に電機業界がエコポイントにすがり、大手百貨店が小規模な自治体の真似をしてプレミアム商品券を発券したりといった具合に、結局やることは限られている。消費の落ち込みに直面した企業は、安売り・政府の補助制度・社員へのノルマ・経費削減のいずれかの選択肢しか思いつかないのが実情で、発想の転換程度で解決するなら苦労はしない。

 むしろエコカー減税やエコポイント、プレミアム商品券に人々が群がる点にヒントがある。つまり、長らく続く不況による収入や労働環境などの切り下げにうんざりした国民は、何か良いことを待っているということだ。話は単純で、収入が増える政策にこそ消費が敏感に反応するのであり、米百俵の精神や発想の転換など不況の克服には何の役にも立たないのである。長期かつ安定的な収入増加を実現できる政策、つまり人々が収入を得る機会(就業機会)のパイを拡大させることが必要で、民間企業にそれができないなら、国が率先して公務員を拡大させるべきだ。手始めに、介護・福祉業界や消費者センター、農業従事者あたりの公務員化から着手してどうか。

 それにしても、安売りスーパーに群がり、プレミアム商品券の発売に行列をなす国民をみていると、自民党民主党の若手政治家がよく言う“行政改革をキチンとやるなら国民は消費税の増税を受け入れる覚悟がある”などとは到底思えない。